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米Oracle、MySQL 5.6を提供開始

 米Oracleは5日(米国時間)、オープンソースデータベースの新版「MySQL 5.6.10」の一般提供を開始したと発表した。

 MySQL 5.6では、まず、InnoDBデータベースエンジンが強化され、トランザクション/読み取り専用の両ワークロードにおけるスループットが最大230%向上。アプリケーションを更新可能な状態に保ったままでインデックスの追加やテーブルの変更を実行できる機能や、Memcached APIを使ってInnoDBデータのキー値を簡単にルックアップできる機能なども実装されている。

 またレプリケーションでは、クラッシュが発生しても適切な位置から自動的にレプリケーションを再開するクラッシュセーフ・レプリケーションへ対応したほか、スレーブ側での同期をわざと遅延させ、マスターでの不注意な操作エラーの影響を避ける遅延レプリケーションなどが利用可能になった。

 さらに、オプティマイザの実行計画作成機能が改善したことも、大きな強化点。アルゴリズムの改善によるサブクエリの最適化、EXPLAINにおけるINSERT/UPDATE/DELETE操作の対応、ICP(Index Condition Pushdown)とBKA(Batch Key Access)の追加などが行われている。

 このほか、マルチコア環境でのスケーラビリティの改善により、最新ハードウェアへの対応を強化。IPv6サポートの改善、サーバー・デフォルト設定の最適化など、多くの改善が行われている。

(石井 一志)