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兵庫県、全国初のクラウドによる社会基盤施設総合管理システムを構築

社会基盤施設総合管理システムのイメージ

 富士通株式会社は29日、兵庫県がクラウドを活用して全国で初めて社会基盤施設を総合管理するシステムの構築に着手したと発表した。兵庫県の橋梁(きょうりょう)、港湾施設などを一元的に管理する社会基盤施設総合管理システムを構築。すでに地理情報システムなどの一部運用を開始しており、2013年度には本格稼働する予定。

 同システムは、橋梁や港湾施設、下水施設など18種類におよぶ社会基盤施設の点検結果や修繕・変更履歴などのデータを一元的に管理して、整備年次、施工業者などの基本情報の管理と、老朽化見直し、部材の劣化予測、修繕費全体計画などの施設維持管理を一貫して行う。また、統合した管理台帳と地図情報を連携しているため、利用者は地図上から選択した施設の状況を迅速に確認できるという。

 特長は、情報を確認したい・更新したい施設のシンボルをクリックすると、その施設の整備年次、施工業者などの最新情報がリアルタイムに表示される「簡単操作」、従来ばらばらに管理されていた18種類の施設データの各管理システムを連携させ、統合データベースで関連情報を管理・照会できる「一元化」、建設年次・整備年次の一覧表示、老朽化の見通し、部材の劣化予測など、修繕費の全体計画や、更新計画の策定、実施時期の精査による予算の平準化のような「経営判断を支援する機能の搭載」、富士通のデータセンターを利用した「クラウドによる事業継続性」。

 これにより、兵庫県はインフラメンテナンス計画を策定し、計画的な保守が行えるほか、整備・医事予算の平準化が図れるとしている。

 今後は、同システムを活用して施設台超などの継続的な更新とデータ蓄積に向けた取り組みを通して、効率的な社会基盤施設の維持管理により安全性を確保する。また同システムの拡張性を生かして、県下市町との共同運用に拡張し、県域の行政体を超えたすべての社会基盤施設の情報一元管理にもつなげる考え。

(川島 弘之)