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営業支援のソフトブレーン、在宅医療サービスへ参入

 ソフトブレーン株式会社は27日、在宅医療サービスへ参入すると発表した。患者基点の新しい在宅医療システム「eケアマネージャー」を開発し、提供を開始した。

 少子高齢化が進む日本では、高齢者の多くは自宅での療法を希望している現状がある。高齢者の増加とニーズの高まりから、在宅医療を必要とする者は2025年には29万人と推計され、約12万人増えると見込まれている。在宅医療推進にあたっては医師不足、訪問看護・介護体制の未整備、家族への負担などが課題となる。

 また、在宅医療を提供する医療従事者からは「医師や他職種間で情報共有し患者が安心できる申し送り(患者に施した治療内容やそれに関連する注意事項などを後任者に伝えること)をしたい」「現場からモバイルで簡単にリアルタイムに申し送りをしたい」「医師、看護師、ケアマネージャ、ヘルパーなどが手軽に活用できる診療予約の仕組みが欲しい」などの声が高まっているという。

 これらを解決するためには、在宅医療・介護サービス供給量の拡充、医療・介護の連携による効率化、サービス品質の向上が不可欠と考え、今回ソフトブレーンでは「eケアマネージャー」の開発に踏み切った。

 「eケアマネージャー」では、営業分野で2000社以上の顧客接点管理システムを構築したノウハウを生かし、「モバイル活用」「シンプル」「患者基点」をキーワードにした在宅医療支援の仕組みを実現。従来のシステムとは異なり、患者を基点とした予約管理が可能なほか、タブレット端末を利用して現場で簡単に患者への往診履歴や今後の予約確認、医師・看護師・ケアマネージャーそれぞれのスケジュール確認ができるため、次回必要な診療予約や申し送りなどもその場で簡単に行えるという。

 また、登録する際、「シナリオエンジン機能」により、診療場面に応じてあらかじめ設定してある手順通りの報告画面(活動項目)が自動的に呼び出される。それに沿って活動報告をしていくだけで、その都度必要な実施項目(問診、施術、次回予約設定など)の抜け漏れを防げるという。

「eケアマネージャー」を活用した訪問医療の1日の流れ

 今後は、医療従事者へのIT研修・サービス向上研修も併せて提供し、ツールとサービスを融合した医療現場サポートサービスを提供する予定。2013年度で在宅医療サービスを提供している医療機関5施設への「eケアマネージャー」導入を目指す。

(川島 弘之)