ニュース

DNPとCEC、多数の複合機をサーバーで統合管理するシステムを開発

 大日本印刷株式会社(DNP)と株式会社シーイーシー(CEC)は20日、複合機メーカーなどと共同で、複合機での認証プリントと利用ログをサーバーで一括管理するシステムを開発したと発表した。

 同システムは、SSFC(Shared Security Formats Cooperation)アライアンスが2011年3月に策定した「SSFC プリンター統合管理サーバー仕様」に準拠しており、ICカード認証機能を持つ複数の異種メーカーの複合機を一括管理できる。

 CECの技術「SmartSESAME SecurePrint !」を用いており、システムのサーバーに接続された複合機であれば、どの場所のどのメーカーの機種でも、個人を識別するSSFC対応ICカードを複合機にかざすだけで使用できる。

 利用の流れは、(1)利用者が同システムのサーバーに接続されたPCからサーバーに印刷ジョブを送信。(2)利用者は出力させたい複合機にSSFC対応ICカードをかざす。(3)ICカードからID番号などの認証情報がサーバーに送られ認証が行われる。(4)認証後、複合機に表示されたリストからプリントしたい印刷ジョブを選ぶ。(5)認証情報に対応する印刷ジョブがその機種に適合するデータに変換されて複合機へ送信され、プリントが開始される。(6)共通フォーマットを利用することで「いつ」「誰が」「どんな設定(用紙サイズやカラーなど)」「何枚」「印刷やコピーを行ったか」という利用ログをサーバーが集約し、一元管理が可能となる。ただし(6)は2013年3月以降に対応する予定。

 メリットは、利用者が空いている複合機を選べるため待つことなくプリントが可能。複合機の表示画面からプリントの枚数や設定を変更可能。サーバーと接続している出張先の複合機でプリントできるため出力物を持ち歩く必要がない。外出時に携帯しているPCから印刷ジョブをサーバーに送信すれば、最寄りの自社オフィスに立ち寄ってプリントが可能。サーバーでの利用ログ一元管理により、複数の部署が混在するオフィス環境でもプリントなどの費用を該当部門に適正に振り分けられる――など。

 今回開発したシステムはすでにDNPが導入済み。提供するICカードとシステム運用ノウハウを身につけるDNPと、アプリケーションの技術を提供したCECは、複合機メーカーと協働して、SSFCフォーマットのICカードを導入している企業や、複数社のプリンタを導入している製造業や金融機関、商社などに同システムの販売を進める。

(川島 弘之)