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富士通、Hadoopとの連携でバッチ処理時間を大幅に短縮できる「NetCOBOL V10.5」

 富士通株式会社は5日、COBOL開発・運用ソフトの新版「NetCOBOL V10.5」を販売開始すると発表した。Hadoopを活用した並列分散処理により、バッチ処理時間を従来の約1/18に短縮できる点が特徴で、COBOL開発・運用ソフトがHadoopとの連携を実現したのは、世界で初めてという。

 NetCOBOLは、オープンプラットフォームに対応するCOBOL開発・運用ソフト。新版では、COBOLのバッチアプリケーションをApache Hadoopで並列分散処理し、バッチ処理時間を大幅に短縮する機能が追加された。COBOLとHadoopでは扱うデータ形式や処理方式に大きな差異があるが、富士通独自のスマートソフトウェアテクノロジーを活用したデータ変換技術、複数入力変換機能などによって差異を吸収。NetCOBOLあるいは他社のCOBOLで開発したバッチアプリケーション、再コンパイルによりHadoopで並列分散処理できるようにする。

 これによって、ユーザー企業は既存のCOBOLデータやアプリケーションに手を加えることなく、バッチ処理時間を短縮できるとのことで、マスタデータとトランザクションログなど、複数ファイルを入力してソート/マージ処理し、複数ファイルを出力するバッチアプリケーションで特に適用効果を発揮する。

 例えば、Apache Hadoopベースの当社製品「Interstage Big Data Parallel Processing Server」との組み合わせの場合、128GBのデータを16多重で集計すると、従来のバッチ処理と比べて処理時間を約1/18に短縮できるという。また、Apache Hadoopとの組み合わせでも約1/3に短縮できるとのこと。

 さらには、富士通のパブリッククラウドサービス「FGCP/S5」、Amazon Web Services(AWS)のAmazon EC2やAmazon Elastic MapReduce上でNetCOBOL V10.5の動作を確認しており、これらのクラウド基盤上にインストールして利用することも可能。FGCP/S5では月額のオプションサービスとしても利用できるため、初期検証やスモールスタートといった用途にも向くとした。

 価格例は、「NetCOBOL Enterprise Edition」Linux版の開発・運用パッケージが168万円(税別)から、運用パッケージが128万円(税別)から。FGCP/S5のオプションとして利用する場合は、開発・運用パッケージが月額8万4000円(税別)から、運用パッケージが月額6万4000円(税別)からとなり、2013年2月のサービス開始を予定する。

(石井 一志)