テラデータ、SSD/HDD混在可能なDWH最上位機種


Teradata Active EDW 6680/6650

 日本テラデータ株式会社は17日、DWHプラットフォームの最上位機種「Teradata Active Enterprise Data Warehouse(以下、Teradata Active EDW) 6680/6650」の販売・出荷を開始した。

 新機種はHDDとSSDの混在に対応した製品。同社独自の「Teradata Virtual Storage(TVS)」に対応することで、ストレージの効率的な活用を実現する。同技術は、データのアクセス頻度に応じてデータの格納場所をリアルタイムに変更するもの。例えば、高頻度のデータをSSDに自動で移動できる。あらかじめ温度を指定してのロードや、データ移動速度の調整などにも対応する。

TVSの概要HDDとSSD間での自動データ移行を実現

TVSのモニター機能も提供する
Teradata Active EDW 6680の仕様

 Teradata Active EDW 6680は、最初からHDDとSSDを混在搭載したモデル。主な仕様としては、Intel Westmere 6コアXeonを採用。ノードあたり300GB/450GB HDD、600GB FC×36~48個と300GB SSD×12~18個を搭載可能で、データ容量は4TB~36PBまで。最大4096ノードまで拡張可能なスケーラビリティを備える。従来のHDDベースのモデルと比較して、単位データあたりのパフォーマンスは最大4倍向上し、同等パフォーマンスにおける設置面積と消費電力は75%削減するという。

従来モデル4ノード分の性能を1ノードで実現。設置面積を最大75%削減する同等データ容量で比べるとパフォーマンスは4倍
Teradata Active EDW 6650の仕様
Teradata Active EDW 6650にSSDを追加導入すれば、段階的に6680と同性能に拡張できる

 一方のTeradata Active EDW 6650は、標準HDDベースのDWHプラットフォーム。最大92PBまで拡張でき、過去6世代のTeradata Active EDWプラットフォームと共存できるモデル。HDDのままシステムを拡張できるほか、将来的にSSDとTVSを追加導入できるのが特徴。キャビネット構成の改善により、従来モデルと比較し、同等パフォーマンスにおける設置面積と消費電力をそれぞれ25%削減できるという。

 同社は、企業のトップから現場の担当者までが迅速に意志決定できる情報基盤環境を「Avtive Enterprise Intelligence(AEI)」として推進している。今回の新機種ではこの考え方をさらに容易に具体化する製品として位置づける。

 強みは「DWH専業ベンダーとして柔軟性」(代表取締役社長の吉川幸彦氏)とTVSだ。米Teradata CTOのスティーブン・ブロブスト氏は「他社ではすべてのデータをメモリ上に保存するというアプローチを採っているところがあるが、これはあまり有意義ではない。なぜならAEIのような環境を実現する場合、一般的にDWH内で実際に頻繁に利用されるデータは20%ほどだからだ。ほとんど使わないデータまですべて高価なストレージに格納するのは現実的ではない」と述べ、他社が推進するインメモリデータベース技術に対しても優位性を訴えた。

 1ノード+1ホットスタンバイノード、ユーザーデータ容量4TBの最小構成価格は、Teradata Active EDW 6680が1億7000万円(税別)、Teradata Active EDW 6650が1億円(同)。

代表取締役社長の吉川幸彦氏米Teradata CTOのスティーブン・ブロブスト氏
関連情報