フジテレビ系列のFNS向けサービスをクラウド化、放送業界で国内初

　株式会社フジミック、日本アイ・ビー・エム株式会社（日本IBM）、西日本コンピュータ株式会社の3社は20日、合弁会社「株式会社フィンズ」を設立し、日本初となる放送業界向けクラウド環境を構築すると発表した。2011年4月より構築を始め、2012年10月から順次、クラウドサービスを提供する予定。

　当初、フジテレビ系列のFNS（Fuji Network System）向けに、加盟23局が共同利用するFNS標準営放システム（テレビ局の基幹業務である編成・広報から営業・放送関連業務向けシステム）や、加盟28局を結び共有活用しているニュース速報、アーカイブデータ、メールなどの情報サービスを、クラウドサービスで提供する予定。

　クラウドサービス基盤には、「IBM マネージド・クラウド・コンピューティング・サービス（IBM MCCS）」を活用する。これは日本IBMのデータセンターにIT資源（CPUやメモリ）を仮想化した上で、ネットワーク経由で提供する従量課金制のサービスで、業務量に応じて、基本使用量の最大4倍まで自動的に拡張可能。堅牢なデータセンター内にサーバーやストレージを二重化することで継続的な安定稼働にも優れる。

　日本IBMでは、2013年度以降、このクラウド環境をFNS系列以外の放送局、あるいは一般企業にも開放しサービスを展開する予定としている。

　なお、フジミックはフジサンケイグループのSI子会社、西日本コンピュータは営放システムなどを手がける北九州市のSI企業。