米VMware、PaaSオープンプラットフォーム「Cloud Foundry」を提供
米VMwareは12日(米国時間)、PaaSプラットフォーム「Cloud Foundry」を提供すると発表した。
Cloud Foundryは、PaaSのオープンプラットフォーム。企業のデータセンターのサービスとして、またパブリッククラウド事業者のサービスとして提供される。最新アプリケーションの効率的な開発、展開、運用を簡略化し、開発者がクラウド環境において、より優れたアプリケーションの展開、実行、管理ができるよう支援するという。
VMwareによれば、従来のPaaSの多くは、特定または標準化されていない開発用フレームワーク、アプリケーションサービスセットなどで構成され、開発者が利用できる機能は限定的だった。Cloud Foundryはオープン性を特長としており、Java向けの「Spring」、Ruby向けの「Ruby on Rails」、サーバーサイドJabaScriptの「Node.js」、ならびに「Grails」を含むほかのJVMベースフレームワークをサポート。今後もその種類を拡充するとしている。また、クリティカルなアプリケーションサービスでは、「MongoDB」「MySQL」「Redis」データベースのほか、「VMware vFabric」サービスのサポートを予定する。
これによりCloud Foundryは、特定のクラウド環境に制限されず、運用にVMwareインフラを必要としない。むしろVMware vCloudパートナーによるVMware vSphere上で構築されたもの、VMware以外のパブリッククラウド、RightScaleによるAmazon Web Services上での運用サービスなど、あらゆるパブリック/プライベートクラウド環境をサポートするとしている。
提供モデルは複数用意される。
まず、同日よりβ版がリリースされたVMware運営の新しい開発者向けサービスとして、www.CloudFoundry.com(英語サイト)から提供。VMwareが運営する包括的な機能を備えたパブリック向けPaaSサービスで、開発者はこの上でソフトウェアの新しいサービスのテストや運用面の最適化テストが行える。
また、オープンソースのコミュニティPaaSプロジェクトとして、www.CloudFoundry.org(英語サイト)から提供。開発者は同コミュニティを活用して、各社のニーズに応じてCloud Foundryのソフトウェアを調査、評価、変更できる。このモデルは優れた拡張性を持つため、コミュニティにおいて任意のフレームワーク、アプリケーションサービス、クラウドサービスでCloud Foundryを拡張し、連携させることが可能という。
2011年第2四半期には、「Cloud Foundry Micro Cloud」も提供。これはダウンロードが可能な包括的なCloud Foundryインスタンスで、開発者のデスクトップにある仮想マシンに格納され、アプリケーションの開発やテストを簡素化できる。ローカルで構築、テストしたアプリケーションを、変更することなくパブリッククラウドの本番環境で稼働させることも可能。
最後に企業・クラウド事業者向けとして、商用のCloud Foundryも提供する予定。この商用ソリューションにより、企業はPaaS環境と自社のアプリケーションやインフラ、サービス製品を連携させられる。