東京電力、今後の計画停電は「原則しない」方針
東京電力は8日、今後は計画停電を「原則実施しない」と発表した。同日、Twitterの公式アカウントで明らかにした。なお、「突発的な電力需要の急増や、設備トラブルなどでやむを得ず計画停電を実施する際は、予めお知らせるように努力いたします」としている。
東京電力によれば、節電の協力が広範囲にわたって浸透した結果、電力の需給バランスが著しく改善。現在、各日の最大電力は前年比を約20%下回って推移しているという。
4月、5月の週別の最大電力は、節電への協力の効果に加え、気温が次第に上昇したり、ゴールデンウィークをはさむことから、当面減少する見通し。その後は、5月後半に向けて緩やかに増加するが、5月下旬も3800万kW程度と比較的低水準で推移すると見ている。
これに対して供給力については、今後の発電所の復旧などにより3900万~4200万kW程度の水準を確保できる見通しであるため、一定の余裕をもって電力を供給できると説明。こうしたことから今後、計画停電は原則実施しないこととした。
なお、今夏の需要は最大5500万kWと想定されるのに対し、供給力は4650万kWと大幅に不足する見通し。東京電力は計画停電の「原則不実施」を夏季にも継続するために、火力発電所の復旧と立ち上げ、ガスタービンなどの緊急設置電源の新設、自家用発電設備の活用、揚水発電の活用など供給面での対策を講じる。
ただし、これらの対策をすべて実施しても、需給バランスは確保できないとしており、夏季における節電への協力を呼びかけている。東京電力では今後、家庭・業務用・大口の顧客に対して、節電対策のコンサルティングや情報提供、設備点検、需給調整契約への加入の勧奨などを積極的に行っていくとしている。