セーラー万年筆、スマートフォン向けコミュニケーション・プラットフォーム事業に参入


セシモ設立を発表する、セーラー万年筆 代表取締役社長の中島義雄氏
セシモのターゲット市場
1月に提携を発表していたフライトや、大手SIerをパートナーとして事業を展開する
左から、フライトの片山圭一朗社長、セーラー万年筆での中島義雄社長(セシモ 代表取締役)、セーラー万年筆電子の小柳洋文具事業部長(セシモ 取締役)

 セーラー万年筆株式会社は3月31日、コミュニケーション・プラットフォーム事業を手掛ける戦略子会社「セーラーCモール株式会社(以下、セシモ)」を設立すると発表した。設立は4月1日付け、事業開始予定は5月1日。セシモでは、株式会社フライトシステムコンサルティング(以下、フライト)と共同で同事業を展開するという。

 事業の対象となるのは、スマートフォン/タブレット端末ユーザー向けにコンテンツ配信を希望する事業者。これらの事業者は、セシモが提供するビジネス/コミュニケーションプラットフォームを活用し、モジュール化された必要な機能を選んで組み合わせることで、準カスタマイズによる、自社アプリケーションの開発が可能になる。具体的な機能としては、物販・サービス事業提供機能、クレジットカード課金機能などが用意されるという。

 業界としては、まず、語学学習や趣味講座といった教育業界を皮切りに、ファッションなどの通信販売や不動産、医療健康情報サービス分野を含む、幅広い業界への普及を目指すとのこと。

 例えば通販業界に適用すると、これまでは多くが無駄になっていた通販カタログの印刷・郵送経費の節減を実現。さらに、双方向のTV電話機能とチャット機能を併用した語学学習を、好きな時間に好きな場所で受けたり、3次元画像での商品ディテールを吟味するとともに、ショップ店員からの専門的な商品説明やアドバイスなどをリアルタイムで得たり、といった、売り手と買い手の双方が安心してコミュニケーションできるインフラを構築できるとのこと。

 なお、クレジットカード課金機能については、iPhone向けクレジットカード決済ソリューションの製品化で実績があるフライトが担当。会費など、毎月自動で請求するものから、そのつど購入するようなコンテンツ購入まで、事業者のサービス内容にあわせた柔軟なクレジットカード決済を行えるようになるとしている。

 セシモでは、初夏よりこのコミュニケーションプラットフォームサービスを開始する予定で、シニア層から若い世代まで幅広い世代に向けた、さまざまな業界の多くの事業者へ広く展開したい考え。また今後、セシモを通じたコンテンツの電子モールも作り上げていくほか、アジア各国など海外市場への事業展開も視野に入れている。

 販売単価は、1ユーザーあたり年間300円~2000円程度を想定し、3年間で100万人規模(新規市場規模300億円~500億円、セシモの売り上げ見込みとして10億円~30億円程度)への市場拡大を目標として掲げている。

関連情報
(石井 一志)
2011/4/1 13:27