テラデータ、圧縮機能やテンポラル機能が追加された「Teradata 13.10」
ハイエンドMPPモデルやエントリーモデルなど、DWHサーバー4機種も発表
日本テラデータ株式会社(以下、テラデータ)は30日、データウェアハウス(DWH)用データベースソリューションの新版「Teradata 13.10」を発表した。12月1日に販売を開始、12月20日より出荷する。また今回は同時に、DWH用のサーバーの4機種も発表された。こちらは12月1日より順次販売・出荷が開始される。
■テンポラル機能で“時間指定”データベース・アクセスを実現するTeradata 13.10
Teradata 13.10は、データベース・エンジン「Teradata Database 13.10」を中核とし、運用管理を支援する「Teradata Tools and Utilities 13.10」などのソフトウェア、構築支援やコンサルティング、サポートなどのサービスから構成されている。
新機能としては、データの変更履歴を自動的に保持するテンポラル機能や、効率のよいデータ圧縮機能などが追加された。このうちテンポラル機能では、データの履歴の変化を自動収集して、時間軸に沿って追加可能にするため、長期にわたって変化する取引や活動の経緯を容易に把握できるようになる。
例えば、小売業で商品のカテゴリが期中に変更されると、変更前のカテゴリ情報が失われてしまい、カテゴリ別の前年比売り上げ分析レポートが適切な結果にならない可能性があるが、テンポラル機能では、変更前のカテゴリ分類にさかのぼって分析レポートを作成できることから、正確な分析結果が得られるという。
テラデータによれば、従来も、同様の機能を実装すること自体はできたものの、そのためには高度なETL処理や複雑なクエリの作成が必要だったとのこと。テンポラル機能では、こうした複雑な処理が不要になるので、コストと時間を節約できるとしている。
圧縮機能では、従来のマルチ・バリュー圧縮機能を強化したほか、アルゴリズム圧縮機能とブロック・レベルの圧縮機能追加され、圧縮前と比較して、最大20倍のデータ格納が可能になった。システム全体としては、圧縮前と比較して最大4倍のデータ格納を実現できるという。
このほか、クエリパフォーマンスを向上させる文字ベースの「パーティション・プライマリー・インデックス」の追加、地理空間関数機能の強化による地理情報処理パフォーマンスの向上、ワークロード定義数の増加によるワークロード管理機能の改良なども行われている。
価格は、テータマート・エディションで359万円(税別)から。
テラデータでは、金融、流通、製造、通信など情報分析ニーズの高い業種を中心に販売を進める考えで、今後1年間に、ハードウェアを含めて70億円の売り上げを見込んでいる。
■ハイエンドMPPサーバーなどハードウェア4機種を発表
一方、ハードウェアの新製品は、超並列処理(MPP)サーバーの最上位機種「Teradata Active Enterprise Data Warehouse 5650」、入門用アプライアンスの「Teradata Data Warehouse Appliance 2650」、超大容量データ分析用アプライアンスの「Teradata Extreme Data Appliance 1650」、部門データマートやテスト・開発向けの「Teradata Data Mart Appliance 560」の4機種。すべての機種で最新の6コアXeonを2基搭載し、ハイパースレッディングを活用して1台のサーバーあたり24スレッドを同時に利用できる。
最上位のTeradata Active Enterprise Data Warehouse 5650では、旧世代モデルとの共存バランスを重視したCモデルと、パフォーマンスを重視したHモデルを用意。従来製品と比べて43%のパフォーマンスを向上させている。価格はCモデルの1ノード構成で1億900万円(税別)から。
エントリーレベルのDWHに最適なTeradata Data Warehouse Appliance 2650では、従来製品とキャビネット単位で比べて場合、3倍以上のパフォーマンス向上を実現した。また、Teradata Data Warehouse Applianceで初めて2.5型HDDを採用し、キャビネット内での集積度を向上させた。なお、キャビネットあたりのユーザー領域は最大68.6TBで、最大343TBのユーザー領域を持つシステムを構成できる。価格は、最小構成の3ノード構成5300万円(税別)から。
Teradata Extreme Data Appliance 1650は非圧縮データで186PBのユーザー領域をサポートする、大規模データの分析用モデル。長期間の履歴データや明細データの分析、法令順守のためのアーカイブデータ分析などに向くという。価格は未定。
最後のTeradata Data Mart Appliance 560は、部門用、あるいはエントリー用のDWHに最適なSMPシステムで、非圧縮データで2TBから11.7TBまでのユーザー領域をサポートする。今回は新たにシステム管理用サーバーを搭載し、システム全体を一元的に運用・管理することが可能になった。管理サーバーは最大4台まで追加できるため、さまざまなアプリケーションやバックアップ処理などを同一キャビネット内に構築可能という。価格は最小構成で2350万円(税別)から。