富士通、中小向け新ブレードサーバー「PRIMERGY BX400」
小型軽量・省エネ・静音などに多数のこだわり
PRIMERGY BX400 フロアスタンド型 |
富士通株式会社は24日、中小企業向けブレードサーバー「PRIMERGY BX400」を発売した。出荷は12月下旬より。
PRIMERGY BX400は、高さ6Uに大規模向けブレードサーバー「PRIMERGY BX900」と同一のブレードを最大8台搭載できる製品。
プラットフォームビジネス推進本部長代理の森下健作氏 |
プラットフォームビジネス推進本部長代理の森下健作氏によれば「PCサーバー市場では伸長率の高いブレードサーバーが主流になりつつある。ブレードサーバー案件はサーバー集約がほとんどだが、注目すべきは案件の約70%がブレード8枚以下という点。中小企業によるブレードサーバー導入が進み始めていることが背景となっている」という。
とはいえ、中小企業ではサーバーの設置スペースを大きく取れないのが課題だ。富士通では大規模向けに最大18枚のブレードを搭載できる「PRIMERGY BX900」、大規模・中堅規模向けに最大10枚の「PRIMERGY BX600」を提供してきたが、今回のPRIMERGY BX400でさらに中小企業のニーズに対応していく。
このため、PRIMERGY BX400では、「省スペース」「軽量」「省エネルギー」「静音性」「操作性・運用性」といった中小企業に求められる要件にこだわったのが特長となる。
省スペースでは、一般的な「ラックマウント型」のほか、縦置き・キャスター付きの「フロアスタンド型」を用意。「既存のタワー型サーバーを整理したいが、専用ラックは導入できない」というニーズに対応した。
フロアスタンド型は、タワー型サーバーの約1.4倍分のスペースで最大8サーバーを稼働可能。サーバーラックが不要となるため、ラック型サーバーの同等構成と比較して約60%のスペースが削減できるという。
重さは、サーバーブレード8台とコネクションブレード4台を搭載した最大構成時でも約112.5kgと軽量。ラック型サーバーの同等構成比で約63%減となり、一般オフィスフロアの強度(耐荷重300~500kg/平方メートル)のままで設置可能としている。
省エネ性能では、サーバーブレード8台分の冷却に最適化された電源・ファンユニットの制御により、1710Wの低消費電力を実現。同等性能のラック型サーバーの消費電力2436Wよりも大幅に電力を削減できる。加えて、ユーザーが指定した消費電力値内で動作するよう自律制御させる「Enforced(強制)モード」(2011年度第1四半期提供予定)と、重要な業務サーバーに優先的に電力を配分する「Adaptive(適応)モード」という2種類の省電力モードを追加し、ブレードならではの全体最適を図っている。
省スペース。フロアスタンドキットでタワー型サーバー並みの設置面積に | 省エネルギー。省電力性能を高め、運用コスト削減・エコに貢献 |
静音性では、8サーバー構成でも45dBの静かさを実現。オフィスフロアに置いてもほかの業務に影響を与えないよう配慮した。これを実現したのが「低騒音モード(Low Noise Mode)」という新機能。通常の冷却方式ではサーバー内部の温度が上昇するとファンを高速回転させ、これが騒音の元となる。低騒音モードでは温度上昇を検知すると、CPUが自動的に省電力動作となり、これにより温度上昇を抑える仕組みとなっている。「もちろんその分パフォーマンスが低下することになるが、業務の重要度に応じて、動作条件を細かく設定できるようになっている」(森下氏)とのことだ。
操作性・運用性の向上については、新たにシャーシ内のサーバーブレードで共用できるDVDドライブおよびUSBポートを装備。標準添付の新機能「ServerView Installation Manager」(2011年度第1四半期提供予定)により、同一シャーシ内の複数サーバーブレードに同時インストールが可能となっている。
静音性。クラス最高レベルの45dBの静音性を達成 | 操作性・運用性の向上。身近なアクセス性で運用の手間を軽減 |
また、シャーシの設定や電力・ログの監視などを日本語で行えるLCDパネル(オプション)を用意したほか、マネジメントブレードの管理用ポートを前面に配置し、設定作業や保守作業の効率を高めている。マネジメントブレードの管理画面にて最低限必要な項目のみを簡単に設定できる「Standardモード」も搭載。管理ソフト「ServerView Resource Coordinator VE」のブレードビューア機能により、1画面でシャーシ内の全サーバー情報を分かりやすく管理できるようになっている。
PRIMERGY BX400 S1シャーシの価格は34万円(税別)。同社では2011年度にPRIMERGY BX400単体で8000ブレード分の出荷を目指す。
ラックマウント型の構造 | フロアスタンド型の構造 |
【お詫びと訂正】初出時、タイトルに誤りがありました。お詫びして訂正致します。