キヤノンMJとEMCジャパン、ECMドキュメントキャプチャソリューションで協業


 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)と、EMCジャパン株式会社は、文書を電子化して統合管理する、ECMドキュメントキャプチャソリューションの分野で協業すると発表。両社は、世界で1万2000社の導入実績を持つEMC社の「Captiva InputAccel(キャプティバ・インプットアクセル)」にキヤノンの日本語OCRを組み込み、2011年4月より販売を開始する。

 EMC社の「Captiva InputAccel」は、大量の文書データを電子化し一元管理する大手企業向けのキャプチャソフトウェアで、世界で1万2000社の実績を持つ。今回の協業で、キヤノンのOCRエンジン「Rosetta-Stone-Components」を「Captiva InputAccel」に組み込む。

 日本語OCRエンジン「Rosetta-Stone-Components」は金融機関を中心にさまざまな業務システムでの採用実績があり、認識支援、住所認識支援、チェックマーク認識、印影抽出、丸囲み判定、QRコードの各コンポーネントを持っている。今回の協業にあたり、Captiva用として、新たに前処理、帳票認識、帳票登録、基本OCR、手書き日本語OCR、帳票DB統合の6つのコンポーネントの新規開発を行う。

 これにより、スキャンした画像の補正や帳票の認識、手書きや活字文字の OCR処理、インデックス入力などを自動化。各業務フローごとにカスタマイズすることが可能になる。

 処理単位ごとにモジュール化されているため、業務プロセスに応じて各モジュールを組み合わせて開発できる。このため、必要の高い業務からスタートし、モジュール追加により適用範囲を順次拡大することが可能な冗長性・拡張性を備えたシステム構成が可能だという。

 今回、日本語OCRエンジンの組み込みの開発は、キヤノンソフトウェア株式会社が担当。キヤノンの複合機「imageRUNNER ADVANCE」シリーズやドキュメントスキャナー「imageFORMULA」シリーズなどの入力機器と組み合わせ、キヤノンMJの大手企業担当営業部門を中心に拡販する。

 両社によれば、文書が電子化されている企業でも、一部の業務に特化したシステムが複数導入されている場合が多く、文書の管理体系が統一化されていない、保守や運用コストがかさむ、セキュリティレベルが揃えられないなどの問題があるという。「Captiva InputAccel」を導入することで、全社共通の文書管理システムを構築し、管理体系を統一化し、組織にひもづいたアクセス権管理などによりセキュリティの確保も可能になるとしている。

EMC社のCaptivaに、キヤノンの日本語OCRを組み込んで提供電子化業務によりフローが異なるが、さまざまな電子化文書を統一したプラットフォームで管理可能に
冗長性・拡張性を備え処理ボリュームに応じてクライアントを追加するなど柔軟な運用ができる導入イメージ。契約や経理など処理フローや内容の異なる業務を統一管理し、SAPシステムへつなぎこむこともできる

 キヤノンMJとEMCジャパンは、2011年4月より金融機関や製造業など、各種申込書や契約書など紙文書の効率的な保管やコスト削減、コンプライアンス対応が必要な業種を対象に提供を開始。2012年までに年間10億円の売り上げを目指す。

 なお、キヤノンでは日本語OCRを搭載した「Captiva InputAccel」によるソリューションを紹介する無料セミナーを12月3日にキヤノンMJ本社オフィス(品川)で開催する。

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