ツールではなく「目的」に応じたBIサービス、NTTデータが体系化
上流コンサルから導入定着までトータルに
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技術開発本部 BI推進センタ長の中川慶一郎氏 |
株式会社NTTデータは20日、ビジネスインテリジェンス(BI)サービスを体系化し、体制を強化すると発表した。2010年度にNTTデータグループ全体で約600人に人員を増強する。
NTTデータでは、1997年よりBIの取り組みを始め、DWHアプライアンス製品といったIT基盤、OLAPやデータマイニングといったコンポーネント要素技術、独自メソドロジ(方法論)、グローバル・サプライチェーンマネジメント(SCM)やビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)といった業務別アプリケーションなどの整備を行ってきた。
今回はさらに顧客への価値を高めるため、すべての取り組みを体系化。技術開発本部BI推進センタを中核に、関係部門との連携を強め、2010年度にNTTデータグループ全体で約600人に人員を強化。その上で「業務別BIソリューション」「独自に開発したメソドロジ」「コンポーネント要素技術」「IT基盤」といった上流のコンサルからシステム開発・運用、 BIサービスの定着支援まで、BIに必要なトータルサービスの提供を開始する。
特に「独自に開発メソドロジ」が同社の強みで、BIシステム上流技法、データ分析技法「BICLAVIS」、データモデリング技法「IMDA」、ビジネスモデリング技法「MOYA」など豊富に備えている。
BICLAVISを例にとると、同社の200を超えるデータ分析事例を基に、分析シナリオを9つ(サブ類型も含めると13シナリオ)に類型化。「予兆発見型」「評価・要因分析型」「予測・制御型」「ターゲティング型」などの活用シナリオをそろえることで、「BIによって業務を変革する具体的なデザインまで支援する」(技術開発本部 BI推進センタ長の中川慶一郎氏)という。
NTTデータによれば、BIは4種類に分類される。1)OLAPツールで蓄積されたデータをさまざまな角度で集計・分析する「集計分析型BI」、2)データマイニングで膨大なデータから隠れた関係性や規則性を発見する「発見型BI」、3)新しい“やり方”をデザインし、未知の取り組みに計量的な裏付けを与える「WHAT-IF型BI」、4)ユーザー行動を理解し一歩先回りして知的なサービスを提供する「プロアクティブ型BI」だ。
方法論も含め体系化したことで、これら4種のBIを明確な指針の下、適切に提供できるようになる。
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「業務別BIソリューション」「独自に開発したメソドロジ」「コンポーネント要素技術」「IT基盤」などを整備 | 4つのBIと情報分析・活用シナリオ |
中川氏は「BIツールありきではなく、目的に応じた最適なBIを提供する。ベンダーのカタログからは分からないBIツールの選定も、BIでどんなことがしたいのかという視点で支援するコンサルを用意。BIの成熟度を『業務』『システム』『人・組織』の3点でとらえ、お客さまの業務やサービスの革新を加速する『BI Boosts Your Innovation』を実現する」(同氏)と説明した。
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NTTデータが考えるBI成熟度モデル | 成熟度をステージアップさせる具体的なポイント |
今後、今回の体系化を継続的に強化すべく、「WHAT-IF型BI」「プロアクティブ型BI」に対応した「業務別BIソリューション」部分に注力。先行してグローバルSCM領域でのBIサービス「グローバルBI」の提供を3月から開始しており、引き続きBPOや顧客接点など順次ラインアップを拡充していく。
こうした取り組みを通じて、2015年度末までに200億円(ハードウェア含まず)の売り上げを目指す方針。