ニュース

佐賀県、テレワーク推進でデルのストレージソリューションを導入

 デル株式会社は12日、佐賀県がテレワークの促進、業務の効率化、ワークスタイルの変革を推進するために仮想デスクトップ(VDI)環境を構築し、自動階層化ストレージ機能を備える「Dell Storage SC」「Dell PowerVault」を導入したと発表した。

 佐賀県は、2007年度に策定した県行財政改革緊急プログラムによる職員削減や、介護離職対策、災害時の業務継続などの取り組みを実施。2008年1月には全国に先駆け在宅勤務制度を導入するなど、限られた人的資源を最大限に活かせる合理的な組織づくりに取り組んできたが、制度を導入するだけでは利用者が少なく、テレワーク促進と業務改革は思うように進まない状況だったという。

 これに対して、タブレットなどのデバイスの活用による業務効率の向上について検討を開始。具体的な取り組みとしては、タブレット100台を利用したモバイルワーク推進実証事業を開始すると同時に、VDI環境を構築。県内(11カ所)、首都圏(1カ所)、関西(1カ所)にあるサテライトオフィスや、在宅での勤務、出張先や執務室外でモバイルワークができるように整備し、職員が実際にテレワークを体験することでテレワーク活用への意識向上を促してきた。

 その際に、データをデバイス上に保存していたため、他のデバイスから最新のドキュメントにアクセスできない、デバイスの故障によるデータ紛失、セキュリティなどの問題が生じ、大容量の共有ストレージの必要性が高まったという。

 また、それ以前にも、部門ごとに小規模なファイルサーバーを構築していたが、VDI経由で快適にテレワークを行うには、それぞれの職員に50GB、部門ごとには100~200GBのワークスペースが必要であると想定された。全体では200TB以上の拡張性があることに加え、県庁と教育庁の4000人が利用可能な大規模ファイルサーバーの要件として、安定して稼動する堅牢性と可用性、セキュリティの高さ、容易な一元管理、拡張性、低コスト、加えて職員の利便性を考慮した上で6万IOPSというパフォーマンスの要求などが挙げられた。

 こうした要件を満たすシステムとして、NAS製品が最適であると判断され、「DellStorage SC8000」(コントローラー)、「Dell PowerVault NX3300」(NASストレージ)、「Dell PowerEdge R420」(サーバー)、「Dell Networking S4810」(スイッチ)が入札された。

 デルのパートナーとして、ユニアデックス株式会社がシステムを提案。デルとユニアデックスでは、入札から約2カ月でファイルサーバーを整備した。

 導入により、多くの資料を持ち歩かなくてもタブレットでファイルサーバーのファイルに随時アクセスできるため、持ち帰り対応が49%減少。移動時間を有効利用する回数が3倍に増え、会議の結果を報告書にまとめる時間が50%短縮、出先からの直帰率も75%上昇し、ワークライフバランスにも効果が出ているという。ストレージが安定かつ無停止で稼動することがテレワーク事業に大きく貢献し、セキュリティも向上。また、誤ってフォルダーやファイルを削除した場合も、1時間ごとの自動バックアップで、すぐに復旧できることも高く評価されているとしている。

三柳 英樹