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ネットワン、宮崎大の教育・研究システム用の共通仮想基盤を構築

 ネットワンシステムズ株式会社(ネットワン)は、国立大学法人 宮崎大学(以下、宮崎大)の教育・研究システム用の共通仮想基盤と、遠隔地へのバックアップシステムを構築したと発表した。4月よりシステムが稼働開始している。

 この共通仮想基盤は、宮崎大の学生・教職員約9000人が利用するもの。130台以上の仮想サーバーが稼働するこの基盤に、事前検証済み仮想基盤パッケージ「FlexPod」を採用し、以前の仮想基盤と比べて初期コストと運用負荷を削減したという。

 特に従来はデータ容量が逼迫していたことから、仮想サーバーが利用するストレージ容量を管理者が細かく調整する必要があり、運用面では大きな負担になっていたとのこと。しかし、新たな基盤では、重複排除機能によって効率的なストレージ利用を実現したほか、運用負荷も軽減された。

 また、南海トラフ地震を想定した遠隔バックアップ環境も構築し、ファイルサーバーの全データ約70TBを、毎日遠隔地のデータセンターへ転送し、バックアップを行っている。対象データが大容量であるにもかかわらず、差分データの抽出と重複排除技術をあわせて適用することにより、容量が削減され、日々のバックアップを実現したとのこと。今後は、このバックアップ先のデータセンターに公式Webのサーバーを設置し、災害時でも情報発信を継続できる体制を整備する予定だ。

 さらに、学生・教職員の利便性向上を図るため、利用者間でファイルを共有できるオンラインストレージを導入した。USBメモリなどの外部媒体をなるべく使わないようにすることで、紛失からの情報漏えいを防ぐ目的もあるという。さらに、IEEE 802.11ac対応の無線LANアクセスポイントと無線LANコントローラを採用し、講義棟無線LANのエリア拡大と高速化も行っている。

石井 一志