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国内クライアント仮想化市場、シンクライアント専用端末ベンダーシェアはHP、日立、デルがトップ3~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は17日、国内クライアント仮想化市場について、シンクライアント専用端末、クライアント仮想化ソフトウェア、クライアント仮想化ソリューション、クライアント仮想化サービスのそれぞれにおける主要ベンダーの競合状況を分析結果を発表した。この4分野ではそれぞれの上位ベンダーが高いシェアを確保しており、ベンダーシェアの順位は大きく変動していないという。

 2014年の国内シンクライアント専用端末市場のベンダーシェアは、1位がHPで、以下、日立製作所、デル、富士通、レノボが上位5社となった。HP、日立、デルの上位3社の実績が突出し、4位以下のベンダーを引き離している。産業分野別出荷台数シェアでは、金融が14.6%、教育/自治体が18.8%、ヘルスケアが16.0%、小売が4.3%、その他(製造/情報サービス/通信など)が46.4%で、ヘルスケアへの割合が前年調査より高くなっている。また、ゼロクライアントの割合は、2013年の12.8%から2014年は22.0%に増加している。

2014年 国内シンクライアント専用端末/ターミナルクライアント市場 出荷台数 ベンダー別シェア(出典:IDC Japan)

 2014年の国内クライアント仮想化ソフトウェア市場の上位3社は、マイクロソフト、シトリックス、ヴイエムウェア。マイクロソフトは50%以上のシェアを維持しており、上位3社は寡占状態にあり、その優位性は今後も変わらないと考えられると分析。背景としては、3社によるクライアント仮想化関連ベンダーの買収や、ライセンス施策などを含め、クライアント仮想化を推進するシステムインテグレーターやチャネルに対する拡販施策などが挙げられるとしている。

 2014年の国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場のベンダーシェアは、1位が富士通で、以下は日立、NEC、IBM、HPと続く。

 2014年の国内クライアント仮想化サービス(DaaS)市場のベンダーシェアは、1位が富士通で、NSSOL、日立が続く。富士通、日立は主にプライベートクラウドDaaS、NSSOLはバーチャルプライベートクラウドDaaSにおいて、それぞれ高いシェアを獲得している。

 国内クライアント仮想化ソリューション(オンプレミス)市場、国内クライアント仮想化サービス(DaaS)市場は、参入障壁が低いため、今後も多くのシステムインテグレーターやソリューションベンダーが参入する可能性が高いと分析。IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション シニアマーケットアナリストの渋谷寛氏は、「今回分析した4つの市場におけるプライマリーITベンダーは固定化されつつある。クライアント仮想化ソフトウェアベンダーを中心に出来上がったオンプレミス及びDaaSのエコシステムも完成しつつある。今後は、モバイル製品、エンドポイント製品などを包含したワークスペース市場へと焦点が移ると考えられる」とコメントしている。

三柳 英樹