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AWS、API構築ツールやモバイル端末テスト環境など新サービスを紹介

 米Amazon Web Services(AWS)の日本法人アマゾン データ サービス ジャパン株式会社は14日、新サービスに関する説明会を開催した。説明にあたったアマゾン データ サービス ジャパン 技術本部 ストラテジックソリューション部 部長の大谷晋平氏は、「AWSは常にインフラストラクチャを進化させている。2008年に24機能で始まったサービスは、2014年には516機能にまで拡大した。2015年も5月末時点で275個のイノベーションを追加している」とした。

アマゾン データ サービス ジャパン 技術本部 ストラテジックソリューション部 部長 大谷晋平氏
増え続けるAWSの新機能

 最近追加されたサービスの1つとして大谷氏がまず紹介したのは、「Amazon RDS for Aurora」だ。これはクラウド時代のために“再発明”したリレーショナルデータベースで、「商用データベースが持つ高速性および信頼性と、オープンソースデータベースが持つシンプルさと費用対効果を兼ね備えている」と大谷氏。Amazon RDS for AuroraはMySQLと互換性があり、マネージドサービスとして現在プレビュー中だという。

 次に大谷氏が紹介したのは「AWS Lambda」で、イベントをトリガーにコードを実行するコンピュートサービス。東京リージョンで利用可能になったばかりだという。同サービスの特徴は、Amazon S3やAmazon Kinesis、その他SNSなどでのイベント発生を元にユーザーが用意したコードを実行し、ユーザーアプリからの同期・非同期呼び出しができること。また、OSやキャパシティなどインフラの管理が不要になるという。大谷氏によると、LambdaとAlexa音声認識ツールキットも連携可能になったとしている。

AWS Lambda

 さらに大谷氏は、「Amazon API Gateway」についても触れた。これは、複数のバージョンとステージングのAPIを管理し、APIキーを開発者に作成・配布可能とするもの。APIをAWS Sigv4でオーサライズでき、バックエンドを守るためスロットルモニタリング機能を完備しているという。また、APIレスポンスのマネージドキャッシュが利用でき、CloudFrontによるレイテンシの削減やDDoS保護が可能。さらには、iOS、Android、JavaScriptのクライアントSDKが生成でき、SwaggerからのAPI定義インポートをサポート。また、データモデリングによるリクエスト・レスポンスの整形やモックテストが実行可能だという。

Amazon API Gatewayのインターフェイス

 「Amazon Machine Learning」も、最近追加されたサービスの1つ。Amazonがアルゴリズムを提供するため、ユーザーはアルゴリズムの実装や詳細なチューニングを行う必要がないという。パッケージサービスとして必要なワークフローがあらかじめ提供されており、予測手法はバッチ予測とリアルタイム予測の両方に対応。バッチ予測ではAmazon S3などにアップロードされた予測対象データに対してまとめて予測を実施し、リアルタイム予測ではデータを1件ずつAPIを使って予測するという。

Amazon Machine Learning

 「Amazon Elastic File System(EFS)」は、NASのようなサービスだ。フルマネージド型で管理が不要となり、容量は自動的に拡張・縮小可能。性能は容量に応じてスケールし、数千のNFS同時接続をサポートするという。AutoScalingするサーバー群でユーザーがアップロードしたデータを全サーバーで共有するといったケースや、大量のサーバーに分散して分析する際に分析データを共有するといったケースなど、さまざまな利用方法があると大谷氏は説明する。

 また大谷氏は、日本で発表されたばかりの「AWS Device Farm」についても紹介した。これは、モバイルアプリの開発者にテスト環境を提供するもので、さまざまなモバイル端末にアプリケーションをアップロードし、テストできるという。「開発者はこれまで自分でモバイル端末を用意するなど手動でテストを行ってきたが、同サービスにより、さまざまなOSやハードウェアを搭載したモバイル端末での動作確認が容易にできるようになる」と大谷氏。現在はAndroid環境のみサポートしており、今後iOSもサポート予定だという。

藤本 京子