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ビットアイル第5データセンター探訪記、「ハイブリッド環境の拠点」のこだわりは?

ビットアイルの寺田航平社長

 ビットアイルは、東京都文京区にビットアイル第5データセンターを開設し、3月1日からサービスを開始するのにあわせて、報道関係者を対象に内部の様子を公開した。

 ビットアイルは、都市型データセンターに特化した展開が特徴で、2001年から、東京23区内で4棟のデータセンターを運営。合計で約6000ラックの設備を持ち、約680社にサービスを提供。そのうち約半分がインターネットサービス関連企業だという。また、25%がコロケーションとクラウドサービスを組み合わせて利用する企業であり、220システムがこうした環境で稼働しているという。

 今回新設するビットアイル第5データセンターは、飯田橋駅から徒歩約10分の位置にある都市型データセンター。7389平方メートルの延床面積を持つ、地上4階、地下1階建のデータセンター専用の建物に、1440ラックまでの拡張性を持った都市型データセンターとなる。

 山手線内という立地にあり、首都高速からのアクセスが容易であることから、都内近郊のユーザーやインテグレーターのアクセスに適しており、移動にかかる負担を最小限にするとともに、大規模災害時には徒歩を含む複数経路でのアクセスが可能。低レイテンシーを実現し、専用線などのコスト負担も軽減できるとしている。

第5データセンターの特徴
これまでのデータセンターの展開。今回の第5データセンターの稼働で7500ラック規模を持つ

 ビットアイルの寺田航平社長は、「今回の第5データセンターの開設によって、合計で7500ラックの規模で事業を展開することになる。データセンター需要は、データセンターへのシステム集約やオフプレミス化、クラウドなどの第3のプラットフォームの普及により拡大しており、今後3〜5年に渡り、高い成長が続くことになる。一方で、2011年〜13年にかけて、首都圏での大規模デーセタンーが多数建設されており、これまでは供給が過剰になっていた。だが、建設費コストが高騰しており、従来に比べて建設費が40〜60%も上昇している。データセンターにおいて建設費が占める割合は30〜40%になっており、大きな影響がある。現在、都心における新規大型データセンターの建設着工予定がなく、いまが需給バランスのターニングポイントになる。今後3年をかけて、需給はタイトになってくるだろう。そうしたなかで新たなデータセンターを開設することになる」とした。

 同データセンターでは、企業が持つオンプレミスフィス環境とのハイブリッドクラウド利用の実現に加えて、AWS、Microsoft Azure、ニフティクラウド、SoftLayerといったパブリッククラウドとの連携によるハイブリッドクラウド環境を実現する「ビットアイルコネクト」のほか、ビットアイルデータセンター内でのハイブリッドクラウド活用ができる「ビットアイルクラウド」を提供。キャリアフリー、ベンダーフリーのニュートラル性を実現している。「最適なものを、最小限のコストで利用できるサービスを、第5データセンターで提供することができる」(寺田社長)

新たな空調方式によりPUE1.4以下を目指す。第4データセンターはPUE1.6だという
第5データセンターの稼働によりハイブリッドクラウド戦略を加速する

 さらに、第5データセンターは、災害対策にも優れており、首都直下地震による東京都の被害想定では、東京湾北部地震、多摩直下型地震のいずれの場合も被害レベルが最低ランクの10%以下エリアに位置し、沿岸部からも5km以上離れた立地している。文京区水害ハザードMAPにおいては、水害想定が最低ランクの20cm未満エリアにあるという。

 地下8.6mに支持層(関東砂れき層)を持つ強い地盤に、地下部が接する直接基礎を施し、免震で必要なバネ機能、揺れを低減する減衰機能、地震後の敏速な静止を行うダンパー機能を併せ持った「高減衰ゴム系積層ゴム支承」を採用。積層ゴムの下面にはすべり材を直列に配置し、コーティングを施したすべり板と組み合わせる弾性すべり支承とするハイブリッド免震構造を採用している。

 また、1ラックあたり6kVAを標準提供。9kVAや12kVA以上の対応も可能。数100ラック規模のデータセンターOEMに提供が可能であるなど、大容量電源および大規模ラックにも対応できる柔軟性を持つ。

 電源設備には、本線予備線方式の66,000Vの特別高圧受電装置を導入。N+2冗長構成の無停電電源装置、48時間分の備蓄燃料を備えた非常用発電設備としている。

 さらに、外気空調を採用した最新の省エネ空調設備や冷気とサーバー排熱の混合を防止するコールドアイルコンテインメントを採用。2つのフロアに分かれる機械室とサーバー室をひとつの階のようにみなして、コンピュータ制御したファンを活用して空調を行う2層一体型空調(ツインフロア空調システム)の採用や、高効率な電源設備の採用などにより、フル稼働時のPUEは1.4以下を実現。環境負荷低減を実現する省エネルギーなグリーンデータセンターを実現している。

 また、屋上緑化、照明のオールLED化に加え、CASBEE(建物総合環境性能評価システム)のAランク設計となっているという。

 ビットアイル第5データセンターの様子を写真で追ってみる。

ビットアイル第5データセンターの外観
全体構成
受付の様子。センター内に入る人は全員がカード補作性。10キーによるパスワード認証と静脈認証でカードと本人と確認してから入ることができる
フラッパーゲート。セキュリティは厳重で入退出の状況も管理。現在、サーバールームに何人が入っているかということもわかる
中央監視センター。隣接する第4データセンターと同じ場所から管理する。24時間365日の体制が稼働する
サーバールーム。ラックごとにセキュリティ管理が行われている
サーバーラックの様子
カードで認証されると該当するサーバーラックが赤く光り開鍵される
サーバーが導入される前の第5データセンター内の様子
2フロアの上側にあるミキシングチャンバー室。熱い空気と外気がここに空気が集められ、右側の冷却コイルを通じて機械室へと冷たい空気を押し出す。同時に左側のフィルターで汚れをとる
モジュールチラー。冷たい空気を作る装置で、N+2の構成としている
機械室の様子。ここからのサーバールームに冷たい空気を送る
機械室は靴底のゴミがサーバールームに落ちないように土足厳禁
天井の配線の様子。照明はすべてLED化
風の音を吸収するサイレンサー。その奥が冷却コイル風は奥から手前に送られる
ECユニットファン。このファンで階下のサーバールームに風を送り込む。負荷に応じて自動的に風量を変えることができる
特別高圧受電装置。66,000Vの性能を持つ。最上階に設置しているのは、サーバールームを階下にした方がサーバールームの広さを確保できるという理由から。第4データセンターは下層部に特別高圧受電装置を導入している
非常用発電機。第4データセンターでは24時間の燃料備蓄であったが、第5データセンターでは48時間の燃料備蓄としている
免震装置。地下8.6mに支持層に直接基礎を施し、免震で必要なばね機能、揺れを低減する減衰機能、地震後の敏速な静止を行うダンパー機能を併せ持った、高減衰ゴム系積層ゴム支承を採用した
ケガキ式変位計。地震時の挙動を把握する。片振幅が15cmを超えた場合には免震部全体の点検を行う
お客様専用サロン。休憩などに自由に使うことができる。第4データセンターと共用だ。マッサージチェアも設置しているという

(大河原 克行)