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国内プライベートクラウド市場、2018年には2013年の3.7倍に~IDC予測

 IDC Japan株式会社は9月30日、国内プライベートクラウド市場予測を発表した。それによると2013年の同市場規模は、前年比42.9%増の4368億円。2013年~2018年の年間平均成長率(CAGR)は29.7%で推移し、2018年には2013年の3.7倍にあたる、1兆6026億円まで拡大すると予測している。

 IDC Japanでは国内プライベートクラウド市場を、配備モデルによって、1)「オンプレミスプライベートクラウド」、2)ホスティング型プライベートクラウドである「デディケイテッドプライベートクラウドサービス(DPC)」、3)「コミュニティクラウドサービス」の3つに分類している。2013年は、各配備モデルとも成長を継続しているが、中でもコミュニティクラウドサービスの拡大が著しく、国内プライベートクラウド市場の成長をけん引しているとのこと。

 また、各配備モデルの傾向を見ると、コミュニティクラウドサービスでは、ユーザー企業は「コストの削減」にもっとも期待している一方、「IT(クラウド)を使った業務の効率化」に対する注目度も高まってきている。逆にオンプレミスプライベートやDPCでは、「コストの削減」を筆頭に、「運用の効率化」などITの効率化に高い期待が寄せられおり、「ITを使った業務の効率化」は、直接的な関心事にはなっていないとした。

 同社ではこうした傾向から、「プライベートクラウドといっても、その構築/サービスモデルによって、ユーザー企業が求める価値が異なることを示している。ベンダーはプライベートクラウドのソリューション化を図る時、訴求すべき価値が構築/サービスモデルごとに異なることに留意する必要がある」としている。

 なお国内市場では、パブリッククラウドのグローバルメガベンダーと差別化を図るため、多くのベンダーが、「高信頼」プライベートクラウドを注力事業としているのが現状だ。現時点では、その戦略は誤りではないとしながらも、将来的には「適材適所」によって複数のクラウドを選択し、それら連携させるハイブリッドクラウドが主流になるとIDC Japanでは予測。その時は、「高信頼」だけでは競争力を維持することは困難になるだろうという点を指摘している。

国内プライベートクラウド市場 支出額予測、2013年~2018年(出典:IDC Japan)

石井 一志