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ノエビアHD、AWSのクラウド基盤にSAP BI環境を構築

わずか2カ月での本稼働を達成

 SAPジャパン株式会社とTIS株式会社は21日、株式会社ノエビアホールディングスが、クラウド環境上に「SAP BusinessObjects Business Intelligence(BI)」を導入したと発表した。

 化粧品から医薬・食品まで幅広い事業を展開するノエビアホールディングスにおいて、化粧品事業を手掛けている株式会社ノエビアの営業部門が、販売代理店の売上分析を目的にBIツールを導入。その後、経営企画/商品企画/マーケティングなどの業務部門が資料作成やマーケティング分析に利用していた。しかし、このBIツールでは、データの増大に対してインフラリソースを柔軟に増やすことができないため、レスポンスの低下が発生していたほか、業務部門からのデータ抽出の要望に対し、容易に対応できない点も課題になっていたという。

 そこで、こうした課題を解決する新たなBIツールの導入を検討し、複数の製品を比較した結果、「SAP BusinessObjects BI」を採用した。決め手になったのは「強力な自由検索機能」と「マルチデータソースへの対応」で、さらにインフラ基盤には、必要に応じてリソースを増減できる柔軟性と、初期コストがかからない点を評価し、Amazon Web Services(AWS)のクラウド基盤を採用している。

 SAP BusinessObjects BIの導入は、システム環境の構築から、データの追加、ユーザー教育までを2カ月間で完了し、すでに本格的な活用を開始しているとのこと。この短期導入には、AWS上に本番環境を構築したため、インフラ基盤の構築が短期間で実現したことも大きく寄与している。さらに、データを追加する段階で想定以上にディスク容量が膨らんだ場合でも、わずか30分足らずで対応できる、柔軟な拡張性を実現した。

 なおTISでは、システム構築の各フェーズにおいて、技術支援と教育支援を行ったほか、ユーザー自身によるBIの高度な活用の実現と、2カ月での本稼働という短期間でのシステム導入の支援を行った。

 ノエビアは現在、この新たなBI環境を利用し、経営企画、商品企画、販売企画部門において分析や営業資料/経営資料などの作成に役立てている。分析軸は、最も利用頻度の高い販売代理店別の日別実績と月別実績、明細の出力を実現しているが、ユーザー自身で自由にデータを検索・抽出して分析できるようになったため、情報システム部門の負荷が大きく軽減された点もメリットとのことだ。

石井 一志