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「Oracle BPM Suite 12c」発売、KPIプロセス化やリアルタイム分析を強化

 日本オラクル株式会社は28日、ビジネスプロセス管理(BPM)製品の最新版「Oracle BPM Suite 12c」を発売した。最新版では、プロセスを図示するモデリングやリアルタイム分析を強化し、ビジネス要件への迅速な反映、非定型業務への対応、さまざまな業界・業務に特化したビジネスプロセス・パターンの拡充を図った。価格は、12万5000円(税別、10ユーザー利用の場合)から。

モデリング画面

 最新版では主に以下の新機能を追加した。

 新機能「Business Architecture」により、戦略の策定段階から具体的なプロセス作成まで、一貫したモデリングを実現。Webブラウザで操作するツール「Business Process Composer」を使って、目標・目的・戦略といった要素を含めたモデルを作成し、ビジネスプロセスのモデリングが行える。例えば、売上目標などのKPIをプロセスに組み込んで、達成度合いに応じてプロセスを分岐させるといったことが可能。これらモデルをバリューチェーンモデルやプロセスモデルとリンクさせ、階層化してビジネスを俯瞰的に管理できるのが特長という。

 リアルタイム分析機能も強化。ビジネスプロセスの監視・分析ツール「Business Activity Monitoring」における「Oracle BI」や「Oracle Coherence」への対応を強化した。豊富な分析機能、プロセスを可視化するダッシュボード、評価指標に基づくトレンド解析を提供するBusiness Activity Monitoringによって、プロセス・業務・従業員のパフォーマンスを“リアルタイム”に監視。評価指標や品質保証への影響を把握し、予測されるトレンドやリスクを特定して、問題発生を未然に防げるという。

 非定型業務のプロセス化にも対応。コンテンツ管理ツール「Oracle WebCenter」と連携し、重要などドキュメントとひも付けたプロセスを定義できるほか、「Adaptive Case Management」によりあらかじめ定義できない業務、突発的な業務を“非定型のビジネスプロセス”として定義できるという。

 さらに事前定義済みのビジネスプロセス・パターンを拡充。業界ごとに特有、または業界共通で利用可能な事前定義済みのビジネスプロセス・パターンを提供する「Oracle Solution Accelerators」を強化し、金融業向けの新規口座開設プロセスや、業界共通の新入社員入社手続きプロセスといった10種類以上のパターンを用意した。今後もパターン数を増やし、より多くの業界・業務をカバーする予定。

 オラクルはOracle BPM Suite 12cの提供に合わせ、Oracleがグローバルで提供しているパートナー企業向けの認定制度「Specialization」のBPM分野を取得するための支援を実施。パートナー企業が業界特化ソリューションなどの自社の強みを生かした提案が行えるよう、販売活動も共同で行う予定という。

川島 弘之