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iBeaconで施設内の顧客動線を見える化システム、パルコ・シティが開発

名古屋PARCOで導入・検証

 株式会社パルコ・シティは、ショッピングセンター(SC)に来店した顧客の「館内回遊導線」をiBeaconで見える化・分析するシステム「SCコンシェルジュ リサーチ『人流解析』」を開発した。慶應義塾大学(慶大)との産学連携プロジェクトとして、7月に「名古屋PARCO」で導入・検証する。このようなiBeaconを活用した大規模な動線調査は業界初という。

名古屋PARCOで導入・検証

 名古屋PARCOでは、館内に設置したBeacon端末が発する信号を、顧客が持つスマートフォンを経由してデータベースに蓄積。分析することで一人一人の館内回遊動線を明らかにする。これにより、これまで困難であった「来店したが購買に至らなかった」顧客の分析が可能になるという。

 同調査は、専用アプリがインストールされた端末を用意し、顧客に貸し出して行う。顧客の私物端末を使用しないため、個人情報流出の恐れがない。今秋予定の大規模改装の前後(7月末と10月末)に実施し、その結果を改修効果の検証にも活用するという。

 Beacon端末の設置やデータベース周りの仕組み構築はエンプライズが協力。得られたデータの可視化・解析は、慶大大学院システムデザイン・マネジメント研究科の神武直彦准教授が協力。調査用スマートフォンはソフトバンクテレコムが提供。パルコ・シティとしては初めての本格的な産学連携プロジェクトとなる。

 調査の結果も踏まえ、SCのビジネスプロセス全体を対象とする統合パッケージ「SCコンシェルジュ」シリーズとして他社への販売も行う予定。他社が利用する際には、パルコをはじめ商業施設の運営経験者による分析・考察・レポート作成もサービス提供する。

レポートイメージ

川島 弘之