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2014年の中堅・中小IT市場は微減、前年のPC更新需要の影響で~IDC Japan予測
(2014/6/10 15:27)
IDC Japan株式会社は10日、国内中堅・中小企業(従業員規模が999人以下)のIT市場について、2014年~2018年の予測を発表した。それによると2014年の同市場は、前年比0.8%減の3兆5665億円と、マイナス成長が予測されている。
これは、「アベノミクス」によって国内経済が堅調に拡大していることから、業績が改善する中堅・中小企業が増加しているものの、前年にあったPC更新需要の反動が大きく影響しているため。2014年4月にWindow XPのサポートが終了した影響で、中堅・中小企業でも2013年にPCの更新需要が大幅に増加している。2014年も小規模企業を中心にPCの更新は継続しているが、中堅・中小企業全体では前年の反動によって大幅に減少したという。
また、2014年4月に実施された消費税増税による消費減速の懸念から、流通業、サービス業などでIT支出が抑制傾向だったのも、マイナス成長になった一因とのこと。
ただし、2014年は国内経済の改善傾向が継続しており、多くの中堅・中小企業で業績が回復しているので、これまで凍結していたシステム刷新、新規開発が中堅企業や一部の中小企業で開始されている。こうした状況から、2014年の国内中堅・中小企業IT市場全体では、小幅のマイナス成長となった。
一方、2015年には業績が改善する中堅中小企業がさらに増加し、多くの企業でシステム刷新が開始されることから、今後はプラス成長への回復が予測されている。ただし、中堅・中小企業の多くでは、インフラの仮想化/統合化、パブリッククラウドの積極的な採用といった傾向から、1案件あたりの受注額は減少が見込まれているとした。
年商規模別を見ると、中堅・中小企業の多くが含まれると想定される300億円未満の企業では、2014年のIT支出規模は3兆2790億円で、前年比では0.9%減を予測しているが、2015年以降は、システム刷新が本格化することからプラス成長への回復を見込んでいる。