IDC、国内産業分野別IT市場予測～XP特需の反動やスマホの一巡で2014年はマイナス成長に

　IDC Japan株式会社は6月18日、国内産業分野別IT市場における2013年下半期の分析と2014～2018年の市場規模予測を発表した。

　IDCでは、2013年は企業のIT支出が伸び、国内IT市場はプラス成長を示したが、2014年はWindows XPからのPC更新増の反動やスマートフォン市場のマイナス成長などの要因によって多くの産業分野でマイナス成長となると予測した。

　2014年の各分野別の市場規模は、通信／メディア分野は前年比成長率マイナス4.5％、市場規模1兆9355億円と予測。2012年に集中していた通信事業者の無線インフラ関連の整備投資がいったん落ち着きを見せるため、2013年から2014年にかけてはマイナス成長が見込まれている。

　組立製造分野は前年比成長率マイナス0.3％、市場規模1兆4451億円。プロセス製造分野は、同マイナス0.5％、同7547億円。これらの製造業では、2013年は円安の影響によって輸出の多い企業で業績が回復し、IT支出において堅調な成長を示したが、2014年は前年の反動や海外展開の加速などの要因で低調となると予測している。

　情報サービス業は前年比成長率0.3％、市場規模8260億円。スマートフォンやタブレットなどの市場拡大の影響でインターネットビジネス向けインフラの拡充が進みIT支出が伸びると予測する。

　医療は前年比成長率0.9％、市場規模5255億円。医療機関向けのみならず、高齢化社会に向けた包括的な地域体制に向けたIT支出が堅調に行われる見込み。

　消費者市場は前年比成長率1.1％、2兆5125億円。タブレットなどの需要は拡大しているものの、スマートフォンはブームが一巡し2012年をピークに2013年よりマイナス成長が続いていることから、2014年の国内IT市場全体の前年比成長率はマイナス1.0％（市場規模14兆1553億円）と予測。また2013～2018年の年間平均成長率（CAGR: Compound Annual Growth Rate）は0.3％、2018年のIT市場規模を14兆5484億円と予測する。

　IDCは、2013年まで2桁成長を続けてきた、モバイルとクラウドを軸とした第3のプラットフォーム市場は、スマートフォンを中心としたモバイル製品市場の成長が頭打ちになるにつれ、徐々に成長率が低下していくと予測。今後はどのような企業でどのような利活用が求められているのかを詳細に検討する必要があるとコメントしている。

　なお、今回の発表はIDCが発行したレポート「国内IT市場 産業分野別 2013年下半期の実績と2014年～2018年の予測」（J14120302）で詳細が報告されている。