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2012年第3四半期の国内サーバー市場は金額・台数とも前年同期割れ~IDC Japan調査

メインフレームのみプラス成長を記録、出荷額1位はNECと富士通

 IDC Japan株式会社は26日、2012年第3四半期(7~9月)の国内サーバー市場動向を発表した。それによると、同四半期の国内サーバー市場規模は1133億円で、前年同期比では5.9%の減少となった。また出荷台数でも前年同期比9.4%減の14万4000台となり、市場規模、出荷台数ともに前年同期から減少している。

 その中では、メインフレームが、前年同期比2.8%増と3四半期連続のプラス成長を記録した。これは、金融業、流通業、製造業向けに大型機の出荷があったためで、特に金融業向けの更新案件が2012年に入ってから好調を維持しているという。

 一方でItaniumプロセッサを搭載するIA64サーバーは通信キャリア向けに大型案件があったものの、わずかに前年同期の出荷額に達しなかったとのこと。またRISCサーバーも、前年同期にあったスーパーコンピュータ「京」の出荷の反動があり、2けたのマイナス成長となった。

 x86サーバーは、前期に続いて情報サービス業向けの出荷は好調とするが、1000台を超える大型案件の件数は、前年同期比で減少している。

 ベンダー別の出荷額では、NECと富士通が同率で1位を記録した。NECは、x86サーバーで通信業向けの大口案件を6期連続して獲得。富士通もx86サーバーで金融業、製造業、情報サービス業向けの大口出荷があった。

 3位はIBMで、メインフレームこそ前年同期の出荷額を上回ったものの、それ以外の製品分野が不振だったとのこと。続く4位は、IBMと0.1ポイント差で日立が入った。同社はメインフレームとRISCサーバーが好調で、メインフレームでは金融業向けの大型案件があり、出荷金額を大幅に増やしたほか、RISCサーバーでは、官公庁向けにHPC専用モデルの大型案件が複数あったという。

 以下は、5位がHP、6位はデルと続くが、HPがすべての製品分野でマイナス成長だったのに対し、デルは4期連続のプラス成長を記録しているとのこと。

 またベンダー別の出荷台数では、500台の小差で富士通を交わしたNECが1位。x86サーバーの出荷台数でやや勝っている点が影響した。3位はHPで、情報サービス業向けと製造業向けに大口案件があったものの、前年同期のレベルには達しなかったとしている。

2012年第3四半期 国内サーバー市場ベンダーシェア【出荷額】(出典:IDC Japan)

(石井 一志)