日立、気象庁にスパコン納入~台風や局地的集中豪雨などの予測精度向上へ
株式会社日立製作所(以下、日立)は24日、科学技術計算分野向けスーパーテクニカルサーバー「SR16000 モデルM1」を中核とするスーパーコンピュータシステムを気象庁に納入したと発表した。6月5日より稼働を開始する。
新システムの中核を担うスーパーコンピュータには「SR16000 モデルM1」を採用。847TFLOPSの総合理論演算性能を有し、従来システムの約30倍の性能になるという。総メモリ容量は従来の約8倍となる108TB、総物理ノード数は108ノード(総論理ノード数は864)を実装する。さらに複数ノードから構成されるクラスタシステム上に、高速なデータ転送を実現する共有ファイルシステム「Hitachi Striping File System」を採用することで、高速I/Oを可能としている。また、外部ストレージには、ミッドレンジディスクアレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2500」を採用し、約4PBの大容量ディスクを搭載している。
新システムは、各種観測データを基に気象学や熱力学の法則に基づく数値計算によって、大気の運動や降水を予測する「数値予測」、および静止気象衛星データの処理に活用される。これにより、台風や局地的集中豪雨に対する予測精度の向上や、防災気象情報の高度化、天気予報・季節予報の精度向上が可能になるという。