シトリックス、クラスタ化などのTriScaleテクノロジーに対応したアプリスイッチ新版「NetScaler 10」


NetScaler TriScaleテクノロジーの概要
米Citrix クラウドネットワーキングプラットフォームグループ 製品担当ディレクターのモーガン・ゲルハルト氏

 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は19日、アプリケーションスイッチの新版「Citrix NetScaler 10」を発表した。従来同様、ハードウェアアプライアンス、仮想アプライアンス、複数の仮想アプライアンスを収納可能な専用ハードウェア「NetScaler SDXプラットフォーム」で利用可能。出荷は同日より開始される。

 米Citrix クラウドネットワーキングプラットフォームグループ 製品担当ディレクターのモーガン・ゲルハルト氏は、「従来型のデータセンターでは、ネットワークが後れをとっており、容量を増やしたりスピードを上げたりしようとしても困難だ」と述べ、ネットワークがデータセンターの足を引っ張っているという点を指摘するが、NetScaler 10はこれを改善するために、新たなアーキテクチャ「NetScaler TriScaleテクノロジー」(以下、TriScale)に対応している点が特徴という。

 具体的には、同一ハードウェア筐体を利用しながら、ライセンスの追加だけで性能を向上させられる「スケールアップ」、最大32台までのNetScalerをクラスタ化可能な「スケールアウト」をサポートし、拡張著しいクラウド時代のスケーラビリティを確保しているという。

 モーガン氏は、「NetScalerでは成長に合わせて投資できるPay-as-You-Growでスケールアップを担保し、ハードウェアはそのままで当初の5倍、40Gbpsの拡張が可能。また従来は1つのデバイスが別のデバイスで冗長化されるため、常に50%が利用されない構成になる点が問題だった。NetScalerでは32台までをクラスタ化し、1つのイメージに見せかけたままテラビットクラスのキャパシティに拡張できるし、有効なバックアップも可能になっている」と述べ、こうした拡張性の重要性について強調した。

 また「TriScale」の3つ目の技術として、NetScaler SDXを用いて最大40のNetScalerアプライアンスを1台のプラットフォーム上に統合できる「スケールイン」もサポート。利用率の高くないアプライアンスを仮想化技術によって統合し、物理アプライアンスの利用効率の最大化と、管理面の負荷を軽減することを可能にしている。

 なおこのほかNetScaler 10では、リアルタイムのモニタリングと適応型ポリシーコントロール機能を実現する「ActionAnalytics」、セキュリティ機能「Citrix Application Firewall」の改善、仮想デスクトップ配信機能の強化など、160を超える新機能が実装されているとのことだ。

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