「Zabbix」「CLUSTERPRO X」連携検証が完了、成果報告書を公開


 ミラクル・リナックス株式会社は31日、統合監視ソフト「Zabbix」とNEC製クラスタソフト「CLUSTERPRO X」の共同検証を完了し成果を発表した。同社のWebサイトから報告書がダウンロードできる。

 Zabbixは、サーバー・ネットワーク・アプリケーションを集中管理するための統合監視オープンソースソフト(OSS)。システム全体の監視、障害通知、グラフ・マップ作成によるリソース使用状況の可視化などが可能となる。ミラクル・リナックスは4年以上、日本向けのカスタマイズ、サポート、監視テンプレートの提供を行っている。

 一般的に、監視システムが停止するとほかのサーバーに障害対応に時間がかかり、結果としてシステム全体の可用性を下げることになる。Zabbixをクラスタ化することはシステム全体の可用性向上につながる。2011年秋にリリースされた「CLUSTERPRO X 3.1」には、Zabbixのクラスタ化に最適な新機能が追加されている。

 今回の検証では新機能に関連し、以下の3点を実証した。

 1)Zabbixのプロセスが障害を発生させた場合、そのプロセスによってZabbixサーバーの挙動が異なる。そのため、特定のプロセスを監視する必要がある。CLUSTERPRO X 3.1に加わった新機能「プロセス名監視」を利用することで、より確実にZabbixの障害を検知できる。また、CLUSTERPRO Xのインターネットサーバー監視オプション、DB監視オプションを利用することで、Zabbixの障害をより確実に検知し、サービスを継続させることが可能。

 2)Zabbixでは、MySQL、Apacheなどの複数のサービスが動作する。CLUSTERPRO X 3.1に加わった新機能「グループ依存関係制御機能(フェイルオーバーグループの起動/停止待ち合わせ機能)」を利用することで、それぞれのサービスが動作するサーバーが異なっていても正しい順序で起動/停止が可能になる。これらのサービスを別々のサーバーでどうさせることで負荷分散され、効率的にリソースが利用できる。また、サーバー間で起動順序を制御できるため、フェイルオーバーの単位を局所化でき、ダウンタイムを短縮できる。

 3)CLUSTERPRO X 3.1に加わった新機能「SNMP連携機能」で、ZabbixからCLUSTERPRO Xの状態を監視できる。また、CLUSTERPRO XはZabbixと同様にWebブラウザから管理操作を行えるため、Webブラウザだけでクラスタの管理からほかのサーバーのステータス管理まで行える。

 NECはこの結果を踏まえ、2月1日よりZabbixのサポートを開始。ミラクル・リナックスはメンテナンスパートナーとして協業する。今後、両社は両ツールの連携ソリューションを事業継続計画の一環として積極的に企業へ提案していく。

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