ソフォス、企業向けエンドポイントセキュリティ最新版「Sophos Endpoint Protection 10」


 ソフォス株式会社は1月18日、 PCやサーバーなど企業のエンドポイント環境を包括的に保護するソリューショ ン製品「Endpoint Protection」の最新版、「Sophos Endpoint Protection 10」を発表した。1月23日から出荷開始する。「10」では、従来からのマルウェア対策や情報漏えい対策機能に加え、 新たにWebフィルタリング、パッチ管理、暗号化端末の管理機能を追加した。

社外PCでもWebフィルタリングが適用できるエンドポイントソリューション

ソフォス株式会社 営業・マーケティング本部長 執行役員 牛込秀樹氏

 「ソフォスでは、従来からあるURL フィルタリング機能によりレピュテーション ベースのデータを取り入れ、マルウェア感染サイトだけでなく、マルウェアや 不適切なコンテンツを繰り返しホスティングしているサイトへユーザーがアク セスするのを防いでいます。この機能ではクラウド型データベースをリアルタ イムに参照することで、すでに把握している危険なサイトに対して、高い保護 を提供してきました」。

 しかし、ソフォスのセキュリティブログ「Naked Security」で最近実施された調査によると、4600 名の 回答者のうち77%が、「業務上不適切なコンテンツを掲載しているWebサイトを ブロックする必要を感じている」と回答。

 今回新たに追加された「Webフィルタリング機能」では、統合管理ツール上で14のカテゴリーに分類された業務上不適切なWebサイトへのアクセス制限を簡単に設定できる。Webゲートウェイを設置している企業も増えているが、ゲートウェイによる防御では、社外におけるPC利用などモバイル環境においては不適切なWebサイトへのアクセスを防げない。「10」で追加されたWebフィルタリング機能は、エンドポイントレベルで危険なサイトへのアクセスを防ぐことが可能なため、社内においても社外においてもPCを保護できる。

Webプロテクションあらかじめ設定された14のカテゴリを選択するだけで設定できる

 ソフォスによれば、攻撃に悪用されている脆弱性のうち、約90%は既にセキュリティパッチが公開されているものだという。しかし、公開されているパッチを各PCに確実に適用するには多くの時間と労力がかかることから、現在も多くの企業が最新のセキュリティパッチの未適用による深刻な脅威にさらされている。

 新規追加されたパッチ評価機能では、SophosLabsがMicrosoft、Adobe、Apple、Citrix、Microsoft、Skype などが公開したパッチ情報を統合し、重要度によって4段階にランク付けする。これにより、IT管理者は、優先して適用しなければ ならない緊急度の高い未適用パッチの優先順位を簡単に把握可能になるという。マイクロソフトのパッチだけでなく、Adobeなどサードパーティのアプリケーションのパッチ管理にも対応する。

 なお、当面パッチ管理機能はパッチが適用されたかを調査し、パッチが適用されていないPCなどが発見されたら通知するという、調査と通知機能のみとなる。パッチ未適用のマシンに強制適用する機能などは、今後追って実装される予定だという。

 また暗号化については、Sophos Endpoint Protectionの管理画面からIT管理者はPCを暗号化し、暗号化ステータスも把握できるようになった。これにより、ノートPCなどの紛失による情報漏えいリスクも低減できる。

ソフォスのパッチアセスメントHDD暗号化管理機能


製品ラインナップと価格

 「Sophos Endpoint Protection 10」は今回から製品ラインナップを変更した。以下、価格はすべて1年100ライセンス契約時となる。

 新規追加されたパッチ管理、Webフィルタリング、暗号化の3つのアドオン機能も入った“全部入り”の「Endpoint Protection Enterprise」が1ユーザー9340円(税別)。

 新規追加の3つの機能がアドオンとして追加できる「Endpoint Protection Advanced」が1ユーザー5200円(税別)。アドオンのWebフィルタリングが1ユーザーあたり1040円(税別)、パッチアセスメントが1040円(税別)、データ保護が3120円(税別)。

 中小規模オフィス向けに機能を絞った「Endpoint Protection Basic」は1ユーザー2600円(税別)。Basicには、アドオンは適用できない。OSはWindows、Mac、Linuxに対応、上位2製品で対応するUnixとStorage OSには対応していない。またサーバーは1台構成が想定されており、最大500ユーザーほどが限界だという。アプリケーションコントロール機能も省かれている。

エンドポイントライセンス体系ライセンス料(価格は1年100ユーザー時、税込)


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(工藤 ひろえ)
2012/1/19 06:00