日本IBM、Web画面から“ビッグデータ”を簡単に分析できるソフト


 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は31日、大量データの分析が可能なソフトの新版「IBM InfoSphere BigInsights Enterprise Edition V1.2」(以下、InfoSphere BigInsights V1.2)を発表した。9月2日より提供を開始する。

 InfoSphere BigInsightsは、テキストや画像などの非構造化データを含めた大量データ(“ビッグデータ”)を分析可能なソフト。オープンソースソフト「Apache Hadoop」の技術を基盤としており、企業での使用に必要な機能を盛り込んでいる。

 今回のInfoSphere BigInsights V1.2では、Webベースの分析用画面「BigSheets」を標準で提供し、業務部門のユーザーがデータを分析できるようになった。通常、Hadoopで“ビッグデータ”を新たに分析するためには、ITシステム部門がMapReduceなどのHadoop用データ処理フレームワークを使用してプログラムを作成し、収集したデータを業務部門にわたす必要があり、最短でも数日かかっていたという。しかしBigSheetsを使えば、表計算ソフトのようにスプレッドシートに取り込み、業務部門自身が直接データを操作して、分析結果をグラフやタグクラウドなどで表示できることから、利便性が向上する。

 例えば、あらかじめ取り込まれている、社内の売上実績などの期間データなどに加えて、特定の商品名を指定してTwitter上のつぶやきを取り込み、その商品に対するつぶやきを対象に、好き/嫌いといった感情を調べる「センチメント分析」が可能になるとのこと。さらには、その中から「~が欲しい」という記述を取り出して購買行動の傾向を観察したり、実績データとマージしてセンチメントと売上実績を組み合わせた分析などを行ったりすることもできるとした。

 また新版では、外部プログラムを経由せずにInfoSphere Warehouse、DB2、Netezzaといった既存のデータベースやデータウェアハウス(DWH)と直接データを連携できるようになり、長期間かけて蓄積された経営情報にまで、分析の範囲を広げられる。

 BigInsights Enterprise EditionV1.2の使用料金は、従来と同様、1TBあたり285万円(税別)から。

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(石井 一志)
2011/8/31 11:48