日本HPと日本マイクロソフト、大規模向けDWHアプライアンスなどを国内で販売

今後も順次、アプライアンス製品を国内で提供


左から、日本HPの古森茂幹取締役専務執行役員、日本マイクロソフトの梅田成二業務執行役員、日本HPの上原宏統括本部長

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)と日本マイクロソフト株式会社は10日、アプライアンス2製品を発表した。大規模DWH(データウェアハウス)専用アプライアンス「HP Enterprise Data Warehouse Appliance」と、BI(ビジネスインテリジェンス)アプライアンス「HP Business Decision Appliance」を同日より提供開始する。

 米Microsoftと米HPでは、2002年にグローバルなアライアンス「FRONTLINE PARTNERSHIP」体制をスタートさせて以来、各方面にわたって協業を強化してきた歴史を持つ。その中で「2010年には、Infrastructure-to-Application(I2A)によって、複雑化しているITを、両社がいかに向上させられるか、というテーマに取り組んできた」(日本HP 取締役専務執行役員 エンタープライズビジネス営業統括 古森茂幹氏)という。

 そのI2Aでは、昨今の激烈な環境の変化に対してITを迅速に対応させるための、アプライアンス製品の提供に力を入れていく予定で、古森氏は、「従来、提携したとは言っても、具体的なソリューションはそう出ていなかった」と指摘。今後はアプライアンスを積極的に提供することにより、「両社の製品をうまくミックスした上で、サービスをバンドルし、さらにアプリケーションを統合してお客さまにお届けする。これによって、これまで時間がかかっていた事前検証の必要性をなくし、最適化された製品を提供する」とした。

 これについては、日本マイクロソフト 業務執行役員 サーバープラットフォームビジネス本部 本部長の梅田成二氏も、「お客さま自身でどの組み合わせがいいのかを検証して、システムを最適化することも確かにできる。しかし、変化の大きな業種などでは、そうしている間にどんどん変化が進み、機会損失が起こってしまう」とし、特に変化の早い業界でアプライアンスが必要とされていると述べている。


MicrosoftとHPのパートナーシップにより、アプライアンス開発をを強化している協業で提供するソリューション
アプライアンスがもたらす価値アプライアンスは、今後も順次提供していくという
DWH市場に選択肢を提供する

 また、DWH/BI製品をほかのジャンルに先駆けて提供する理由としては、攻めの経営に向けて情報を活用したいという、顧客からの高いニーズがある。大量のデータ処理を必要とするDWH/BIでは、これを高速に処理するための専用ハードウェアを用いたり、チューニングされたりしたアプライアンス製品が主流となっており、一般に受け入れられるようになっているので、顧客企業側の意識としても、受け入れられやすくなっているのだ。

 ただし、性能が良くても購入、導入がしづらいのでは、広く市場を築いていくことはできない。そのため日本HPと日本マイクロソフトでは、標準にこだわってアプライアンスを提供するとのことで、サーバーやストレージは日本HPのオープン系製品を採用したほか、ソフトウェアもWindows Server、SQL Server、SharePoint Serverなど、日本マイクロソフトの一般的な製品を利用している。

 日本HP エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部 統括本部長の上原宏氏は、この点を「例えば、DWHを難しくしる理由にテクノロジーがプロプラエタリで、構築についても高いスキルが要求されるので、結果として高価になっていた。(この協業のアプライアンスでは)当社の既存テクノロジーを活用し、その中で、いかに信頼性を保ち、使い勝手の良いアプライアンスを作るかに腐心した」と主張。これによって例えばHP Enterprise Data Warehouse Applianceでは、導入費用なども含めた全体の費用を、競合ベンダーの同パフォーマンスの製品と比べて、5分の1から3分の1程度に抑えているとした。

 またサポートについても、「両社で念入りに調整して、一体となったサポートを提供する。1時間以内にファーストレスポンスを返せるようにするほか、24時間365日体制のサポートでお客さまを支援する」(マイクロソフトの梅田氏)と話し、協業では懸念されがちなサポート体制も万全だと強調している。

 

大規模環境向けの超高性能DWHアプライアンス

HP Enterprise Data Warehouse Appliance

 新製品のうち、HP Enterprise Data Warehouse Applianceは、大規模環境向けに提供されるDWHアプライアンス。MPP(Massively Parallel Processing:超大規模並列処理)技術を採用したSQL Serverの最上位エディション「SQL Server 2008 R2 Parallel Data Warehouse(PDW)」と、日本HPのサーバー、ストレージを組み合わせて提供する。

 すでに提供されているSMP(Symmetric Multiprocessing:対象型マルチプロセッシング)型のDWHアプライアンス「SQL Server Fast Track DWH」でも、80TBまではスケールアップが可能だったが、SMP型は、使用するハードウェアによって拡張性が制限されてしまうため、これ以上の拡張は難しい。

 しかしHP Enterprise Data Warehouse Applianceが採用するSQL Server 2008 R2 PDWは、Microsoftが2008年に買収した、DATAllegroの技術をもとに開発されており、サーバーノードをデータラック単位で追加することにより、スケールアウトを容易に行えるため、HP Enterprise Data Warehouse Applianceは500TBまでのデータ処理が可能になっているという。

 さらに、クラスタ化された複数のサーバーノードに分析処理を分散し、各ノードのリソースを用いて並列処理を行う仕組みのため、膨大なデータに対する検索処理を、より高速に実行可能。クラスタによる冗長化が行われていることから、高い可用性も確保されている。

 価格は、ハードウェア、ソフトウェアと、Microsoft コンサルティングサービスによる6週間のDWH設計支援サービス、専任サポートエンジニアによるプレミアソフトウェアサポート、日本HPによる24時間ハードウェア保守サービス(3年)などを含み、1億8000万円(税別)から。

 

セルフサービスBI機能「PowerPivot」を活用するアプライアンス

HP Business Decision Appliance

 一方のHP Business Decision Applianceは、SQL Server 2008 R2の新機能であるセルフサービスBI機能「PowerPivot」を利用できる、BI機能特化型アプライアンス。x86サーバー「HP ProLiant」用にチューニングされたSQL ServerとSharePointがあらかじめサーバーハードウェアにインストールされた状態で出荷されるので、検証やシステム構築作業を行うことなく、BI環境をすぐに利用できるという。

 PowerPivotでは、Excel 2010との連携によって、SQL Server上で管理されているデータのみならず、Excelファイル、テキストファイル、ほかのデータベース、HTML、RSSフィードなどなど、さまざまなデータを、自らのクライアントPCのメモリ上に展開し、自由に結合して分析することが可能。また、SharePointの機能を利用し、他のユーザーが作ったPowerPivotのデータを共有し、Webブラウザ上からExcelのGUIを使うこともできる。

 日本HPの上原氏は、「Excelをベースにして親和性の高いGUIを活用できる、誰でも使える簡単さがメリットだ」と、この製品の特徴を紹介している。

 価格は、ソフトウェア、ハードウェアのサポートサービスを含めて800万円(税別)から。

販売体制

 なお両製品とも、日本マイクロソフトの大手町テクノロジーセンターを活用したサービスも提供される。HP Enterprise Data Warehouse Applianceについては、の実機を利用したPoCサービスの提供体制が整っているほか、HP Business Decision Applianceについては、実際にその価値を体験できるサービスを提供するとのこと。

 販売体制としては、両社とその代理店からそれぞれ提供され、積極的に顧客企業に対して提案していく計画で、「早い段階で、2けた程度のプレゼンスは獲得していかないと、協業がうまく進んでいるとはいえないだろう」(上原氏)との目標を示している。


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