NEC、髙島屋のECシステムをプライベートクラウドで刷新~TCOを50%削減


 日本電気株式会社(以下、NEC)は21日、ECサイト向けのクラウドサービス「NeoSarf/EC」により、株式会社髙島屋の複数のECサイトをプライベートクラウドベースに刷新したと発表した。これによって、TCOの50%削減など、多くの効果が得られたという。

 「NeoSarf/EC」は、ECサイト向けの機能をSaaS形式で提供するサービス。商品情報表示・商品検索などの“フロント機能”と、商品管理・注文/受注管理・コンテンツ管理・顧客管理などの“バックオフィス機能”に加え、ログ管理・アクセス権限管理などの共通機能もクラウドサービスで提供する。また、コンテンツ登録・管理などの付帯機能も用意されており、ユーザーは個別にシステムを構築することなく、ECシステムを短期間・低コストで利用開始できる。

 髙島屋では従来、オンラインストア・通販・ファッションモールの3つのECサイト(扱い商品点数:1万5000)を個別のシステムで運用していたため、その効率化が課題になっていた。そこで同社では、「NeoSarf/EC」によりプライベートクラウド環境を構築。3つのサイトで商品・注文・会員の管理といった共通機能を統合した上で運用することにより、TCOを約50%削減した。

 さらに、1つのEC基盤上で運用されるため、これまではサイトごとに別々に購入しなければならなかった商品が、同時に購入可能となり、ユーザーの利便性が向上した点も、大きな変更点。商品は、購入後に各サイトの業務管理システムへ振り分けられる仕組みで、こういった仕掛けは、百貨店業界では初めてになるという。

 また、サイトのレスポンスや検索結果表示までのスピードが向上しているほか、顧客データの一元管理により、顧客動向の分析や新たな販促の実施なども可能になった。加えて、NECの共通IT基盤サービス「RIACUBE」を活用しているため、中元や、通常の6倍のアクセスが集中する歳暮などの繁忙期でも、自らがサーバー増設を行うことなく、集中するアクセス処理に対応できるようになっている。

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