日本IBM、管理端末の負荷を抑えた「Tivoli Endpoint Manager」新版


 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は26日、スマートフォン・デスクトップ・ノートPC・サーバーといった各種端末を管理するソフト「IBM Tivoli Endpoint Manager V8.1」を発表した。2月1日より販売する。なお新版は、2010年にIBMが買収を発表した、米BigFixのITインフラ管理ツールを統合した初の製品となる。

 IBM Tivoli Endpoint Manager Solution V8.1は、企業の各種端末に対し、パッチ配布、ソフト配布、セキュリティ設定、ライセンス管理、電源管理などを一括して行う製品。

 新機能としては、管理対象の端末に導入するモジュールに、CPU使用率やネットワーク帯域の割合を制限する機能を搭載。端末上の処理をシステム負荷を抑えたまま実行できるのが特長。例えば、CPU使用率の制限を0.5~20%で設定できるため、遠隔地の端末に対しても、端末使用者に負担を強いることなく管理できる。途中でネットワークが切断された場合も、次回の接続のタイミングで再送信が始まるので、管理の漏れが生じないという。

 Windowsや各社のアプリケーションへ定期的にリリースされるパッチ配布については、あらかじめ適用すべき最新のパッチ情報を、顧客企業内の管理サーバーに送信する新機能を搭載。従来必要だった、パッチのファイル名やパッチ提供のための実行パラメーターの指定など、個々のパッチごとに事前準備を不要とし、大幅な時間短縮を実現している。

 加えて、従来はソフト配布管理、インベントリ管理、コンプライアンス対応度管理など、対象の管理機能ごとに別々のソフトを導入する必要があったが、新版では各種管理を1つの画面に統合している。

 また、IBM Tivoli Endpoint Manager V8.1では管理サーバーと管理対象端末の間に、リレーサーバーを設定できる。これにより通信を中継し処理を分散できるため、パフォーマンスも損なうことがない。IBMの試算では、50万台のマシンにわずか数分でセキュリティ修正やソフト配布が可能という。

 価格(管理対象端末数が1000の場合)は、資産管理・リモート制御・ソフトウェア配布・パッチ管理などが可能な「Lifecycle Management」が1380万円(税別)、資産管理・セキュリティ構成管理・脆弱性管理・パッチ管理などが可能な「Security and Compliance」が1380万円(同)、パッチ管理のみ可能な「Patch Management」が244万円(同)、電源管理のみ可能な「Power Management」が286万円(同)。

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(川島 弘之)
2011/1/27 12:47