ヤマトグループが業務システムを社内クラウド化、富士通が支援


 ヤマトグループのヤマトシステム開発株式会社(以下、YSD)は、業務システムをプライベートクラウド化するプロジェクトを9月7日より開始した。システムの一部をYSDデータセンターにクラウド環境で構築。そこで必要となるクラウド技術やICT基盤は、富士通が初期費用+従量制で提供する。2011年6月より、ヤマトグループ2社のシステムを対象にサービスインする予定で、順次ほかのグループ会社に展開していく。


従量課金制の新ICT基盤

 構築するのは、e-ビジネス事業の経営改革を加速する新ICT基盤。端末の画面からサーバー・ストレージ・ネットワークなどの構成を選択するだけで、ヤマトグループのビジネススピードに合わせたシステムを迅速に構築でき、従来3カ月かかっていた構築から運用までの期間を1カ月未満に短縮するという。

 同様に、システム構築をスモールスタートして効果を見ながら拡張していく場合も、資源の追加に要する1カ月程度の納期を5営業日に短縮するなど、フットワークの軽さを実現する。

 また、YSDから富士通へは、リソースの使用量に応じた費用を支払う従量制のため、処理のピーク時を考慮したシステム構成で料金を支払う必要がなく、コストを大幅に抑えられる。

 信頼性の面では、ハードウェアから仮想環境、業務プログラムにわたるICTの全レイヤを三重化し、高信頼なICTリソースを実現。業務システム用途のみならず、開発・運用まで幅広い用途に利用でき、昼夜を問わず24時間365日、業務を停止することなく保守が可能になるとしている。


基盤実現のためのクラウド技術

 新ICT基盤を実現するために活用するクラウド技術は、2010年4月より富士通が提供する統合運用管理ソフト「Systemwalker」3製品と、「ServerView」1製品。これらによりヤマトグループの業務システムをミドルウェア層まで標準化し、仮想化と自動化を実現。ハードウェアには基幹IAサーバー「PRIMEQUET」と高信頼性ソフト「PRIMECLUSTER」を採用する。

 なお、SystemwalkerとServerViewを活用してデータセンターにプライベートクラウド基盤を構築し、初期費用と従量制で提供するのは、富士通にとっても初の事例とのこと。

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