シマンテック、VMware環境上のアプリケーション高可用性ツールなど発売
米Symantec プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのドン・アングスパット氏 |
株式会社シマンテックは31日、VMware環境下で高可用性とストレージ管理を実現する2製品「Symantec ApplicationHA」と「Symantec VirtualStore」を発表した。前者は9月30日より、後者は2011年1~3月期の発売を予定する。
ApplicationHAは、VMware環境でアプリケーションに対する高可用性を実現するもの。サーバーの仮想化が進んでいるが、アベイラビリティの観点から、仮想マシン上でミッションクリティカルなアプリケーションを稼働させることに二の足を踏む企業が多い。ApplicationHAは、この課題に対するシマンテックとVMwareの協業成果で、具体的に仮想マシン上のアプリケーションの健全性を監視し、障害を検出したら再起動をかけられる」(米Symantec プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのドン・アングスパット氏)。
VMwareにもHA機能が存在するが、こちらは物理サーバーの障害を検出できるだけで、仮想マシン上のアプリケーションで発生した障害は検知できない。ここにApplicationHAを組み合わせれば、仮想環境上のアプリケーションでも高可用性を実現。「ミッションクリティカルなアプリケーションの仮想化も現実味を帯びる」(同氏)というわけだ。
管理者はvCenterから操作でき、ツールの追加やトレーニングが不要。SQL Server、Exchange、IIS、Oracle、SAPなど幅広いアプリケーションをサポートし、vMotionやDistributed Resource Schedulerとも完全な互換性を備えるという。
一方のVirtualStoreは、VMware環境用のスケールアウトNASヘッド。数百にもおよび仮想マシンに対して、VirtualStoreサーバーを必要に応じてスケールアウトさせることで、仮想マシンのクローンの効率的なイメージバックアップを実現。アングスパット氏「親仮想マシンのイメージと各クローンの差分のみを保存することで、ストレージフットプリントを削減できる。また、特許取得済みのキャッシュ最適化技術で、より多くの仮想マシンを1個のNASヘッドに搭載し、ブートタイムやユーザーの使用感を向上できる」と説明する。
また、仮想デスクトップ環境も効率的に管理できる。VirtualStoreの「FileSnap」機能により、何千もの仮想マシンのクローン化とプロビジョニングを実現。すべてvCenterのコンソールから分単位でこれらの処理を実行できるという。
同社では、仮想環境におけるデータ保護を推進し、さらにこうした技術をクラウドストレージなどにも展開する「シマンテッククラウドストア構想」を進めていく考え。