シマンテック、スケールアウトNAS制御ソフト「FileStore」

富士通のサーバー・ストレージに搭載し出荷


 シマンテック株式外会社は23日、スケーラブルファイルサーバーソフト「Symantec FileStore」を発表した。2009年10月に米国で発表された製品。日本では、富士通のPCサーバー「PRIMERGY」およびストレージ「ETERNUS」と組み合わせて、アプライアンス展開を図る。提供開始は7月26日より。

 FileStoreは、スケールアウト型NAS制御ソフト。サーバー(ノード)にインストールし、複数のFC-SAN/SAS/iSCSIストレージを接続。クライアントからNFS/CIFSによるネットワークアクセスを可能にする。

 特徴は、オンラインでノードとストレージを追加できる点。小さく始めて大きく育てるリニアに近い拡張性を実現する。ノードは最大16台までアクティブ-アクティブにスケールアウトでき、1クラスタ構成で最大2PBまでの容量をサポート。

 「NetBackup」や「Endpoint Protection」とも親和性があり、追加のサーバーやストレージを用意することなく、セキュリティやバックアップ&リカバリ機能が利用できる。

 このソフトを、特定用途システムの構築を目的に必要なソフトを組み合わせ、インストール・設定・保守手順を簡略化した「アプライアンスソフト」として、富士通のPRIMERGYとETERNUSに搭載し出荷する。

FileStoreの特徴PRIMERGYに搭載し、ETERNUSでスケールアウトファイルサーバーを構築する
シマンテック代表取締役社長の河村浩明氏
富士通、ストレージシステム事業本部長代理の松島等氏

 シマンテック代表取締役社長の河村浩明氏は、「非構造化データが急増する中、企業にとってはNASの重要性が増している。クラウドで今後さらにデータが増えた際、いかにローコストで効率的な管理ができるか。そこに同社のソフト技術が役立てられる」と説明。

 富士通との協業については、「富士通側で旧Veritas製品を扱っていたこともあり、バグの洗い出しなど協業の歴史は長い。その経緯もあり、2009 年11月には、Symantec Partner Programの最上位にあたるGlobal Strategic Partner契約を結んでいる。両社の製品を組み合わせて全世界に協業を展開するもので、今回のFileStoreもこれに沿って共同展開する形となる」と語った。

 これを受けて富士通、ストレージシステム事業本部長代理の松島等氏は「当社のストレージは、事業継続、セキュリティ&コンプライアンス、ライフサイクル管理、グリーンなどの特徴があるが、今回の協業で情報共有・検索・高速化についても機能強化が果たせる」とコメント。

 また、富士通はSANストレージをNASとして利用可能にするNetAppの「Vシリーズ」と連携してSAN/NAS統合ソリューションを提供しているが、それとの関連性については「NetAppは比較的大規模なソリューション。今回の協業では、NetAppでカバーしきれない、小さく始めるスケールアウトNASの領域を補完できる」としている。

 なお、FileStoreが対応するのは、サーバーが「PRIMERGY RX300シリーズ」、ストレージが「ETERNUS DX60/80/90/400シリーズ」。まずは富士通製品に搭載して出荷を始めるが、シマンテックでは今後、他社ベンダーとの協業も検討していく方針。

PRIMERGY RX300シリーズの特徴ETERNUS DX60/80/90シリーズの特徴
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