ニュース
日立、スマートフォンを活用した「119番映像通報サービス」を販売
2017年10月17日 06:00
株式会社日立製作所(以下、日立)は、スマートフォンを活用した「119番映像通報サービス」を、10月17日から全国の消防局・消防本部向けに販売開始する。
サービスは、スマートフォンに対応した専用アプリと、消防局・消防本部に映像を受信可能な受付端末を導入することで、通報者とのビデオ通話を可能とするもの。音声に加え視覚情報も加わることで、消防指令センターにおける迅速で正確な状況把握を可能とする。専用アプリには、ビデオ通話に加え、チャットによる文字情報のやり取りや通訳者を交えた三者通話機能なども備え、音声通話が困難な人や外国人による通報にも幅広く対応する。
日立では、近年、交通量の増加などにより119番通報を受けてから現場に到着するまでの時間が延伸傾向にあり、被害の最小化や救命効果のさらなる向上のため、消防指令センターにおける迅速で正確な状況把握による現場到着時間の短縮が求められていると説明。また、メールやウェブによる119番通報を導入している自治体が増えているが、利用は事前登録制で、対象者は聴覚または言語・音声などに機能障がいがある人に限られるなど、音声通話が困難な人や、訪日外国人など日本語による通報が困難な人も利用できる通報手段が求められていたという。
販売を開始したサービスでは、通報者があらかじめダウンロードした専用アプリから利用できる「アプリ版サービス」と、アプリをインストールしていない場合でも利用可能な「Web版サービス」の2つの利用方法を提供する。ビデオ通話のほか、地図情報の共有、手書き入力、チャット、三者通話による通訳といった各種機能が利用できる。
ビデオ通話による通報では、傷病の程度や火災現場の様子などを、指令員は音声だけでなく視覚的にも確認できるようになるため、より正確な状況把握が可能になる。通報者の現在位置を地図上で表示することが可能なため、現場住所の特定を迅速に行うことができ、チャット機能や手書き入力機能により、通報者と指令員が文字や図をリアルタイムに共有できるため、音声通話が困難な方でも容易に現場の状況を伝えられる。
外国語通報に対しては、通訳者を交えた三者でのビデオ通話により、スムーズな通報内容の聞き取りが可能。ビデオ通話だけでなく、これらの支援機能を併用することで、迅速で正確な状況把握と的確な出動指令を実現する。
サービスの価格は1ライセンスあたり月額20万円。導入にあたっては、受付端末の設置が必要となる。また、三者通話による外国語同時通訳機能はオプション提供で、別途通訳料金が必要。提供開始時期は2018年4月。