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NEC、AI技術を活用してログの分析を自動化する「ログパターン分析」を販売開始

 日本電気株式会社(以下、NEC)は13日、ログパターンをAIにより自動で抽出・モデル化することで統合的なログの分析が可能なソフトウェア「NEC Advanced Analytics - ログパターン分析」の販売を開始します。

 製品は、NECのAI技術群「NEC the WISE」の1つとして北米研究所で新たに開発した「ログパターン分析技術」を搭載し、ログの構造を意識せずに多様なログパターンを自動で抽出、複数の装置やシステムのログをモデル化することで統合的なログの分析を実現するもの。

 ログを形成する各要素を自動分割・種別判定し、事前の定義なしでログの形式(フォーマット)や可変部の取り得る範囲といったパターンを抽出する。これにより、ログ管理製品では必要不可欠だった、プログラミングによるログ分析のためのフォーマット定義を不要とし、テンプレート作成や修正作業の工数を削減する。

 さらに、ログパターンとログに含まれる変数の種類・値の範囲を学習・モデル化し、モデルとのマッチ・アンマッチを自動判定することで、これまでの勘や経験に頼った属人的なログの分析作業を軽減する。

 こうした機能により、たとえばシステムの障害発生時には、障害発生時と過去障害時のログのパターンを比較し、インシデント管理システムに蓄積されている過去の類似障害を検索・通知することで障害対応の迅速化が可能となる。また、ログの出力件数の推移から、人間の目では見つけにくい“いつもと異なる”挙動を検知することで、機器の故障時期の予測や障害の早期発見が可能になるとしている。

NEC、AI技術を活用してログの分析を自動化する「ログパターン分析」を販売開始 ログパターン分析を活用したソリューション例(障害対応レコメンド)
ログパターン分析を活用したソリューション例(障害対応レコメンド)

 製品を活用した実証実験では、システムの障害発生時に専門家と同様の判断で、過去の類似障害を検索・通知できることを確認。これにより、対処方法特定までの時間を最大80%短縮することが可能となった。

 また、NECのクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」の運用においても製品を活用し、ログの出力件数の推移から、いつもとは異なる挙動を検知することで、数千台を超える基盤機器から出力される大量・多様なログの監視ルール設計や分析にかかる工数を25%削減できたという。

 製品の価格は250万円(税別)から。NECでは、ログパターン分析エンジンを活用したソリューションとして、今後3年間で40億円の販売を目指す。また、製品については、11月9日~10日に東京国際フォーラムで開催する「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2017」で展示を行う。