2016年の国内モバイルエンタープライズセキュリティ市場規模は前年比16.4％増の65億円、2021年には130億円に拡大～IDC Japan調査

　IDC Japan株式会社は5日、国内モバイルエンタープライズセキュリティ市場の2017年～2021年の予測を発表した。

　IDC Japanでは、モバイルエンタープライズセキュリティ市場を、モバイルアイデンティティ／アクセス管理と、モバイルセキュアコンテンツ／脅威管理、モバイルセキュリティ／脆弱性管理、その他モバイルセキュリティに分類し、市場規模算出／市場予測を行っている。

国内モバイルエンタープライズセキュリティ市場 機能セグメント別 売上額予測、2014年～2021年（出典：IDC Japan）

　2016年の国内モバイルエンタープライズセキュリティ市場は前年比16.4％増の65億円、同市場の2016年～2021年の年間平均成長率は14.7％で、2021年の市場規模は130億円に拡大すると予測している。

　ウイルス対策やフィルタリングなどを含むモバイルセキュアコンテンツ／脅威管理市場は、2016年の市場規模は29億円で、国内モバイルエンタープライズセキュリティ市場の45.0％を占める。2016年～2021年の年間平均成長率も4つの機能セグメントの中で最も高く、市場を牽引していくと予測している。

　IDC Japanでは、企業におけるクラウドサービスの利用が拡大することで、今後、利便性が高く、モバイルデバイスに最適化されたモバイルアプリケーションの活用が拡大すると分析。これにより、モバイルデバイスは、グループウェアなどの情報系システムから基幹系システムでの活用へと拡大し、モバイルアプリケーションへのアクセス管理やアプリケーション間のSSO（シングルサインオン）連携、生体認証やリスクベース認証などを組み合わせた多要素認証といったアイデンティティ／アクセス管理と、モバイルアプリケーションの脆弱性管理への需要が拡大すると予測している。

　IDC Japan ソフトウェア＆セキュリティのリサーチマネージャーの登坂恒夫氏は、「モバイルセキュリティソリューションベンダーは、モバイルアプリケーションへのアクセス管理やアプリケーション間のSSO連携、生体認証やリスクベース認証などを組み合わせた多要素認証といったモバイルアイデンティティ／アクセス管理やモバイルアプリケーションの脆弱性管理など、モバイル環境に最適化されたセキュリティ対策の導入を促進させるべきである」と述べている。