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TIS、製造業向けIoTプラットフォーム「MONOweb」を提供開始

 TIS株式会社は22日、工場・倉庫設備内の設備機器やセンサーなどからデータを収集・分析し、異常の早期発見と稼働状況確認コストの削減を実現するIoTプラットフォーム「MONOweb(ものウェブ)」を、製造業向けに9月から提供すると発表した。

 MONOwebは、製造業の生産設備機械や生産設備などの現場のシステムと、生産や経営などの業務システム(IT)とをつなぐ、IoT実現のためのプラットフォーム。IoTを活用したデータ収集・蓄積・分析をするための5つのメニューで構成される。

 「MONOweb Factory+」は、生産設備機械や生産設備のセンサーデータによる稼働監視から、生産システムと経営システムの連携まで、工場に関するシステムに必要な機能を、顧客の状況に合わせて構築するサービス。データ収集・蓄積をしたい企業を対象にした「Entryモデル」、センサーデータと基幹システムとを連携させたい企業を対象にした「Enterpriseモデル」、生産設備システムと既存業務システムを連携させたい企業を対象にした「Standardモデル」の3つのステージに合わせたモデルが用意され、企業は自社の段階に合わせて選択できる。

 「MONOweb Sensor+」は、センサー群の実装に特化したサービス。配線不要かつ電池不要の「EnOcean」対応のセンサーを工場設備に取り付け、IoTゲートウェイ経由で情報を蓄積し、異常発生時の変調を可視化するためのクラウドサービスを提供する。EnOceanは、配線も電池も不要のため、既存の製造現場においても、機械や周辺の環境情報を収集するのに有効なセンサーとなる。

 「MONOweb Device+」は、IoTゲートウェイで管理しているソフトウェアや設計工程の成果物、業務改善のためのデータ連携を支援する。ファームウェア配信サービスでは、IoTエージェントを組み込んだエッジの機器内のソフトウェアを管理し、リモートからソフトウェアなどの更新を可能にする。また、オンプレミス上にある設計画面をモバイル端末からの参照を可能にする設計図面管理、すでに構築されているデータベースとデバイスの直接双方向のデータ連携を可能にするIoT SDKも提供する。

 「MONOweb Find+」は、エッジコンピューティングで収集したデータを、ダッシュボード形式の簡単で理解しやすいUIで可視化するサービス。たとえば、工場の機械や労働者の作業を監視・管理するシステム(MES:製造実行システム)の中で、顧客が課題解決したい管理項目の分かりやすい可視化や、作業の日報を生産量や作業時間などと関連付けた分析結果の可視化を実現する。

 「MONOweb Work+」は、製造業の現場に加えて、生産システムや経営システムと連携するさまざまな業務の無駄を削減するサービス。たとえば、IT化されていない定型業務を自動化するためのRPA(Robotic Process Automation)ツールの提供により、既存の定型業務を自動化し、短期間で導入効果を出すことで、製造現場の効率化と高付加価値業務へのシフトを可能にする。

 TISでは、MONOwebを、センサーを使って設備保全や生産状況を把握したい製造業や、提供した設備機器のアフターサービスで稼働状況を把握したい設備機器メーカーなどに向けて展開していく。