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2016年の国内テープストレージ市場は前年比11.7%減の74億7900万円、IDC Japan調査

ローエンド市場が大幅減、大型テープオートメーションはアーカイブ需要で成長を予測

 IDC Japan株式会社は16日、国内テープストレージ市場の2016年の実績と2017年~2021年の支出額予測を発表した。

 テープストレージ市場については、テープドライブとテープオートメーションをカウントしている。テープドライブはサーバーなどに接続される単体ドライブで、テープオートメーションで利用されるテープドライブは含んでいない。また、テープカートリッジ(メディア)やバックアップ、アーカイブソフトウェアも含んでいない。

国内テープストレージ売上額予測、2016年~2021年(出典:IDC Japan)

 2016年の国内テープストレージの売上額(ドライブとオートメーションの合計)は74億7900万円で、前年比11.7%減となった。内訳は、テープドライブが18億3000万円で同21.0%減、テープオートメーションが56億4900万円で同8.2%減。

 テープドライブは、ローエンドのDATが生産中止となったことで大幅に減少し、ミッドレンジのLTOが売上額のほとんどを占める市場となった。また、テープオートメーションもバックアップシステム需要のディスクベースバックアップやクラウドサービスへの移行が継続しているためマイナス成長となったとしている。

 国内テープストレージ売上額の2016年~2021年の年間平均成長率はマイナス2.6%を予測。内訳は、テープドライブの年間平均成長率がマイナス4.4%、テープオートメーションの年間平均成長率がマイナス2.1%。

 テープドライブは、ローエンドが大幅に減少するといったマイナス要因がなくなるが、サーバーへの装着率の低下が続くことで、マイナス成長が持続すると予測。テープオートメーションについては、全体としては減少傾向が続くが、500巻以上のテープカートリッジを搭載できる大型/超大型ライブラリーについては、プラス成長を持続すると予測。これは、IoT、ビッグデータ/アナリティクス、コグニティブ/AIシステムなどの普及に伴い、大量のデータやコンテンツを長期保存するストレージとして、テープストレージの見直しが進むと予測されるためとしている。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ/PCsのグループディレクターの森山正秋氏は、「低コスト/大容量/長期アーカイブニーズの拡大に伴い、低いGB(ギガバイト)単価、低消費電力、長期保存性に優れたテープストレージの再評価が進みつつある。ストレージベンダーはテープストレージのメリットを生かしたソリューションの提案によって、ディスクベースのソリューションやクラウドサービスとの差別化を進め、新たな需要開拓に取り組むことが求められている」と分析している。