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ミランティス、OpenStackとKubernetesを統合した「Mirantis Cloud Platform」を提供開始

 ミランティス・ジャパン株式会社(以下、ミランティス)は20日、オープンソースのクラウドインフラ構築基盤ソフト「OpenStack」と、Dockerコンテナ管理ツールの「Kubernetes」を統合してパッケージ化した、商用ディストリビューション「Mirantis Cloud Platform 1.0(以下、MCP 1.0)」の提供を開始した。

 Mirantis Cloud Platform 1.0は、従来製品の「Mirantis OpenStack」にKubernetesを統合。SDN(Software Defined Networking)として、仮想マシンやベアメタルに対応した「Open Contrail」およびコンテナネットワークに対応した「Calico」を、SDS(Software Defined Storage)として「Ceph」を搭載し、同一のプラットフォームからの仮想マシン、コンテナ、ベアメタルのオーケストレーションを可能にする。

 さらに、DevOpsスタイルのライフサイクル管理機能を提供する「Mirantis DriveTrain」、統合的な監視を提供する「Mirantis StackLight」もプラットフォームに含まれる。

 ミランティスでは、MCP 1.0を独自のBOT(Build-Operate-Transfer)方式による新しいデリバリーモデルで提供する。

 このモデルでは、まず、ミランティスがサービスの一環として、スムーズなシステム導入(Build)を提供。次に、顧客の運用負荷軽減のために、要望に応じて最大99.99%のSLAで最低12カ月間、ミランティスが顧客のオープンクラウドプラットフォームを運用(Operate)する。

 さらに、顧客には自社の管理下にプラットフォームを完全に移行するというオプションもある。MCPは構成するすべてがベンダーロックインなしの一般的なオープンスタンダードに基づいているため、顧客はミランティスによる運用から自社でのプラットフォーム運用への移行(Transfer)が可能だとしている。

 また、ミランティスではMCPのリリースに伴い、2019年9月までにMirantis OpenStackとFuelの商用サポートの提供を終了すると発表。現在、Mirantis OpenStackを使用している顧客には、アップグレードパスを提供するとしている。

 米Mirantisの共同設立者でCMOであるBoris Renski氏は、「今日、インフラストラクチャの消費パターンは、すべてがAPIに基づいて管理、継続提供されるパブリッククラウドによって定義されています。Mirantis OpenStackはインストーラとしてFuelを採用することにより、最も導入を容易にしたOpenStackディストリビューションですが、OpenStackの各バージョンに追従するには大掛かりなアップグレード作業が必要でした。Mirantis Cloud Platformは、従来のインストーラ中心のアーキテクチャから、ミランティスまたは顧客のDevOpsチームがゼロダウンタイムで継続的に利用可能にするため、オペレーション中心のアーキテクチャに移行しています。OpenStackのアップデートは、従来のような6~12カ月に1度の大掛かりなものから、毎週のように行われるマイナーバージョンアップを通して行うことが可能になります。今後5~10年以内に、OpenStackに関わるすべてのベンダーはこのパターンに適応する方法を見つけ出すか、さもなければ消滅することになるでしょう」とコメントしている。