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ノキア、顔認証をエッジコンピューティングにより低遅延で実現する実証実験をNTTの研究所と実施

 ノキアソリューションズ&ネットワークス株式会社(以下、ノキア)は23日、NTTネットワーク基盤技術研究所(以下、NTT)と共同で、エッジコンピューティングを活用した公共スペースでの低遅延ネットワークソリューションの実証実験を行ったと発表した。

 実証実験は、IoT時代に向けた低遅延通信とデータ前処理のメリットを実証するために行ったもの。低遅延は、マルチアクセスエッジコンピューティング(MEC)を利用した分析処理、特にパブリックセーフティにおける顔認証セキュリティアプリケーションにメリットをもたらすとしている。

 公共スペースにおける監視カメラを使った視覚的な身元確認は、重要性が増す一方、待機時間の長さが大きな課題となっている。さらに、顔認証プロセスで生成される膨大なデータも、効率的なセキュリティ管理における課題となっている。

 ノキアとNTTでは、課題解決に向け互いのテクノロジーを活用。NTTが提案する低遅延通信パケット処理技術、通常帯域利用技術、遅延を考慮したデータ補正などの技術と、ノキアのMEC製品などを組み合わせることで、監視カメラでの顔識別時間を短縮。従来はクラウド上に配置されていた顔認証ソフトウェアを、キャリアネットワークのエッジに配置することで、監視カメラから受信した顔データを素早く識別できるようになり、認証時間が飛躍的に短くなった。

 さらに、集中型クラウドにおけるデータプロセスのオーバーヘッドを解消。MECベースのソリューションでは、顔認証ビデオ分析をキャリアネットワークのエッジで実行するため、ビデオカメラのトラフィックを大幅に削減でき、集中型クラウドに大量のデータを流す必要がなくなる。

 ノキアでは、実証実験は包括的なIoTベースのソリューションのネットワーク基盤となり、パブリックセーフティ分野の事業展開における新たな収益源となることが期待されると説明。2020年に東京で開催されるオリンピックを見据え、公共スペース向けの包括的なIoTベースのセキュリティソリューションの基盤を提供するとしている。