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京大 化学研究所、ゲノムネットとスパコンを支えるストレージ基盤にNetApp FASシステムを採用

 ネットアップ株式会社は17日、国立大学法人京都大学の化学研究所が、ネットアップのNetApp FASシステムを採用したと発表した。ゲノム情報サービス「ゲノムネット」を支えるスーパーコンピュータのストレージ基盤として利用されている。

 化学研究所附属のバイオインフォマティクスセンターでは、インターネットを通じてゲノム情報サービスのゲノムネットを提供しているが、同センターでは2016年1月のスーパーコンピュータシステムの更新に合わせ、バイオインフォマティクス研究の発展や技術進歩によるデータ量の増大に対応でき、さらに24時間365日の無停止かつ安定した運用を実現できるストレージ基盤導入を検討していたという。

 具体的には、ゲノムネットの利用者拡大・発展を支える、無停止かつ安定したIT基盤の構築が可能なこと、予定されていたスーパーコンピュータシステムの外部公開に向け、無停止運用の実現が必須であること、4年後を見据えたデータ容量の確保と大規模ストレージ環境の可用性などを考慮。性能面でも、ストレージコントローラのCPU使用率を50%未満に抑制すること、サーバーからストレージへのレスポンス時間で15ミリ秒以下を実現する高速性などを要件として製品を選定した。

 その結果、バイオインフォマティクスセンターが従来から利用してきたNetApp FASシステムの実績や安定性を評価し、更新されるスーパーコンピュータを支えるストレージ基盤としても、引き続きNetApp FASシステムを採用することを決定している。

 同センターでは、Data ONTAPを活用し、クラスタ構成のNetApp FAS8060Aを6セット(12ノード)導入。データの完全二重化により冗長性を確保するとともに、データ容量を5.1 PBに拡大した。

 これにより、ゲノムネットやスーパーコンピュータシステムの発展、利用者の増加を支える5.1PBの大規模かつ高信頼ストレージ環境を構築。ストレージのクラスタ化により、従来のストレージシステムをさらに上回る可用性と耐障害性を実現した。

 また、ネットアップのストレージOS「Data ONTAP」により、ボリューム運用の柔軟性が向上。またFlash Poolの採用により、大容量データのI/Oスループットを向上させている。