ニュース
2015年の国内クラウドサービス市場は1兆円を突破、2020年には3兆円規模に~MM総研調査
2016年12月13日 14:57
株式会社MM総研は13日、国内クラウドサービス市場に関する調査結果を発表した。2015年度(2015年4月~2016年3月)のクラウドサービス市場は前年度比33.7%増の1兆108億円となり、1兆円を突破。2020年度までの年平均成長率は27.4%と高い水準を維持し、2020年度には2015年度比で3.4倍となる3兆3882億円に達すると予測している。
調査は、クラウドサービスを導入済または検討中の法人計1373社を対象として、2016年10月~11月に実施したアンケートをもとにまとめたもの。
国内クラウドサービス市場のうち、パブリッククラウド(SaaSおよびIaaS/PaaS)の2015年度の市場規模は、前年度比19.8%増の2756億円。IaaS/PaaSの成長を背景として、2020年度までの年平均成長率は17.7%、2020年度の市場規模は2015年度比で2.3倍の6238億円に達すると予測している。
プライベートクラウド(ホステッド、オンプレミスおよびコミュニティ)の2015年度の市場規模は、前年度比39.7%増の7352億円。2020年度までの年平均成長率は30.3%で推移し、2020年度には2015年度比3.8倍の2兆7644億円になると予測している。
パブリッククラウドやホステッド・プライベートクラウドに対するユーザーのイメージでは、「情報漏えいなどのセキュリティが心配」と回答したユーザーの比率が、前年調査時に比べて減少。クラウドサービス事業者のセキュリティ対応力が向上したことに加え、利用者の増加に伴ってクラウドサービスに対する適切な理解が進んだと分析している。これまで、セキュリティ面への不安はクラウド利用の障壁として挙げられてきたが、不安なイメージの低下により信頼が高まり、クラウドの利用者が一層増えることが予測されるとしている。
パブリッククラウドのIaaS/PaaSを基盤として活用している法人が利用しているサービスでは、「Amazon Web Services(AWS)」が34.1%と最も多く、引き続き首位となったが、他のクラウドの利用も増えた結果、相対的に利用率が減少した。AWSを追いかける「Microsoft Azure」は、ユーザーの積極的な取り込みにより前年調査時より利用率が高まっており、IaaS/PaaSの利用を検討する企業においては最も多く選ばれた。MM総研では、今後も上位2社において、顧客獲得競争が一層激化することが予想されるとしている。また、国内ベンダーでは富士通が健闘しており、子会社のニフティを含めると利用・検討率は上位となる。
ホステッド・プライベートクラウド利用ユーザーでは、「Enterprise Cloud」(NTTコミュニケーションズ)が19.2%と最も多く、以降は富士通(18.2%)、IBM(17.2%)が続く。
パブリッククラウドのIaaS/PaaSでは、引き続きスケールメリットを活かすグローバルベンダーが上位を占め、国内ベンダーはプライベートクラウドの領域を中心に生き残りをかける構図が鮮明になってきているとしている。