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国内PaaS市場、年平均22.1%の成長で2020年の市場規模は1761億円に~IDC Japan調査

国内PaaS市場 売上額予測、2015年~2020年(出展:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は21日、国内PaaS(Platform as a Service)市場の予測を発表した。2015年の国内PaaS市場は前年比48.1%増の648億円、2015年~2020年の年間平均成長率は22.1%で、2020年の市場規模は1761億円になると予測している。

 IDCでは、国内PaaS市場を「クラウドアプリケーションプラットフォーム」「クラウドインテグレーションサービス」「クラウドデータサービス」「クラウドアプリケーション開発/ライフサイクルサービス市場」「その他のクラウドプラットフォームサービス」の5つの中分類市場で定義。このうち、2番目に規模の大きいクラウドデータサービス市場が、2015年には前年比103.5%増の179億円となり、市場全体の成長を力強くけん引したとしている。

 急速な成長の背景としては、企業アプリケーションのIaaSでの利用規模が拡大したことで、アプリケーションと連携して利用するRDBMS(Relational Database Management System)の利用が増加したこと、非構造データを含むビッグデータの活用によってHadoopサービスのクラウド上での活用が広がっていること、クラウドDWH(Data Warehouse)の普及などを挙げている。

 今後についても、企業のクラウド活用の進展によりハイブリッドクラウド環境が一般化し、クラウドインテグレーションサービスの需要が拡大するほか、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業のアプリケーション基盤として主流の位置を占めることで、高い成長を続けていくと予測している。

 IDC Japanソフトウェア&セキュリティマーケットアナリストの草地慎太郎氏は、「今後の企業のDX推進の基盤としてPaaSの活用がさらに拡大すると予測されている。一方で個々のPaaS独自の実装に拠ったアプリケーションを開発することで、他のプラットフォームに移行することが難しくなることに対するユーザー企業の懸念がある。PaaSを提供するサービス事業者はユーザー企業の懸念を払拭し、利用を促進するために標準に則ったサービスを提供していくことが望ましい」と分析している。