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国内ストレージソフト市場の2015年の売上は916億円、全体としては低成長もSDS市場が拡大中~IDC Japan調査

国内ストレージソフトウェア市場 売上額予測、2015年~2020年(出展:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は6日、国内ストレージソフトウェア市場の2015年の実績と2020年までの予測を発表した。2015年の国内ストレージソフトウェア市場全体の売上額は、前年比2.3%増の915億9300万円。2015年~2020年の平均年間成長率は2.1%で、2020年の市場規模は1015億7400万円と予測している。

 ITインフラの運用をソフトウェアの導入によって効率化、自動化しようとする流れは継続しており、ストレージ運用についてもユーザーが高度なソフトウェア機能を利用する機会は増えているが、ストレージベンダーの販売戦略としては、ソフトウェアの標準バンドル、無償化が進んでいるため、国内市場の売上規模は低成長傾向にあると分析している。

 ただし、低成長なストレージソフトウェア市場にあって、急速に規模を拡大しているSoftware-Defined Storage(SDS)コントロールソフトウェア市場については、新興ベンダーの動きを追うように大手ベンダーも製品を投入しており、現状ではセグメントとしての売上規模は小さいながらも、メインストリームに向かって確実に歩を進めている状況にあるとしている。

 2015年の国内ストレージソフトウェア市場におけるベンダーシェアの上位は、1位がEMC、2位がベリタス、3位がIBMで、前年と同じ顔ぶれとなった。これらの上位ベンダーは、大規模ユーザーを中心顧客として課題解決型のセールスを展開しているという共通点があり、また、この3社の売上成長率は、市場全体の数値を上回っており、下位との差が開いた状況にある。

 IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの鈴木康介氏は、「ストレージソフトウェアの需要面では、ストレージ管理の迅速性、経済性、安全性をいかに高めるか、ソフトウェアに求められる役割は今後ますます重要となる。しかし、その一方で、運用の簡素化を訴求点に市場浸透を図るオールフラッシュアレイの影響により、ストレージソフトウェアのスイート化、標準バンドル化は一層進むであろう。そのため、機能面での要求の高まりに反し、売上規模は低成長となる」と分析している。