ネットチャート、MRIなどの画像や医師所見を共有できるクラウドサービス

　IIJの100％子会社であるネットチャート株式会社は23日、CTやMRIをはじめとする医療用画像、医師による所見などを安全に共有できる「Cloud Radiology Service クララ」を発表した。9月1日より提供を開始する。

　「Cloud Radiology Service クララ」は、CT、MRIなどの検査画像を保管・閲覧・管理するための「医療用画像管理システム（PACS）」をクラウド上に構築するサービス。医療用画像データを、患者情報や過去の検査履歴などと合わせて、統合的に閲覧・共有できるようにする。

　PACSへはインターネット経由でアクセスが可能なため、検査を実施した病院が、院内で撮影した医療用画像と診断所見（レポート）を専用端末からクラウド上のPACSにアップロードすると、遠隔地にある診療所や連携施設、主治医の自宅なども画像データ、所見を閲覧でき、地域医療連携（病診連携）を促進するとした。

サービスイメージ図

　またPACSへのアクセスは、PCだけでなくスマートフォンなどのマルチデバイスに対応しているのも特徴。検査一覧は「検査ワークリスト」画面上で参照でき、検査画像と合わせて、患者情報や過去の検査履歴などが一画面で閲覧可能になっている。さらに、専用ビューアで検査画像を高速できるほか、過去の検査画像との比較も容易に行えるという。

検査画像ビューア

　なお、このサービスでは医療向け3省4ガイドラインに準拠したクラウド環境を利用しており、情報の保護にも配慮しているとのこと。検査画像などの情報は、画面イメージだけを転送する仕組みで送受信され、実データはネットワークに流れないため、機密性の高い医療情報が漏えいしたり、ユーザー端末にデータが残ることはないという。

　価格は、月額10万円（容量2TBまで）から。