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国内通信事業者のネットワーク設備投資市場、LTE向け投資の減少で規模縮小も2018年以降は拡大予測

 IDC Japan株式会社は27日、国内通信事業者のネットワーク設備投資市場について、2015年の分析と2016年~2020年の予測を発表した。

 IDC Japanでは、通信事業者のネットワーク設備投資市場を、「アクセス機器」「光伝送装置」「トランスポート」「無線インフラ」「ネットワーク管理」「コントロール」「ネットワークデプロイメント」を対象とした市場と定義している。

 国内ネットワーク設備投資市場については、2015年の市場規模は1兆77億円(前年比18.9%減)と推計。2015年は、LTE向け設備投資が大きく減少したため、市場規模も減少したとしている。移動体通信事業者は引き続き投資抑制を進めた一方で、新たにLTE-Advancedのキャリアアグリゲーションに対応する基地局ネットワークへの投資を行うなどの動きが見られたとしている。

国内通信事業者ネットワーク設備投資市場予測、2014年~2020年(出展:IDC Japan)

 市場規模については、2018年からは増加に転じると予想している。長距離通信事業者による400Gbps長距離伝送への投資の本格化や、モバイルデータトラフィックの継続的な増加に対応するため、LTE高速化の対応エリア拡大とキャリアアグリゲーションへのさらなる投資が見込まれ、加えて、2019年からは5G向け投資が始まると分析。これにより、2015年~2020年の年間平均成長率はプラス0.1%、2020年の市場規模は1兆150億円になると予測している。

 IDC Japanコミュニケーションズ シニアマーケットアナリストの藤村成弘氏は、「通信事業者は、2016年以降、2020年の5G商用化に向けたネットワークアーキテクチャ設計を本格化する。通信事業者向けネットワーク機器ベンダーは、ハードウェアやソフトウェアの提供にとどまらず、5Gを見据えて、設計から導入までをセットにしたソリューションと導入後の運用サポートを充実していくことが必要である」と分析している。